喉のつかえや飲み込みにくい症状が気になる方へ|原因・検査・リハビリを詳しく解説
この記事では、食べ物が飲み込みにくくなる原因や関連する病気、必要な検査、リハビリテーション方法について詳しく解説します。喉に不安や悩みを感じる方が安心して対策できるように、正しい診断や治療方法、日々の食事、生活習慣の工夫など幅広く紹介します。
飲み込みにくい症状とは?
飲み込みにくい症状とは、食べ物や飲み物を口から喉、食道に送る際に起こる違和感や感じ方を指します。
正常な飲み込みの仕組み
普段何気なく行っている「飲み込む」という行為は、口腔から咽頭、食道、そして胃までをスムーズに食べ物や飲み物が通過する複雑なプロセスです。まず、口の中で噛み砕かれた食べ物が唾液と混ざり、舌の動きで喉の奥へ運ばれます。次に喉頭や咽頭の筋肉が連携して収縮し、気管に食物が入り込まないように喉頭蓋が閉じられます。この時、反射運動として食道の入り口が開き、喉頭蓋の上、あるいは左右の両脇を通過してきた食塊が食道へ運ばれます。この一連の動作のどこかで障害や機能低下が起こると、飲み込みにくさや嚥下困難感などの症状があらわれる場合があります。
飲み込みにくさの感じ方と症状例
飲み込みにくさの感じ方は人によって異なりますが、代表的な例としては、「喉につかえ感がある」「食事の際にむせやすい」「飲食物がのどに引っかかるような違和感を覚える」などがあります。
食道を通過する時に痛みを感じることや、食物や唾液がうまく飲み込めないことも悩みの1つです。また、「咳き込みや痰が増える」「発熱を伴う」といった場合は誤嚥や嚥下障害の可能性もあります。「食事に時間がかかる」「痰が絡んだような声になる」「多くの量を食べられなくなるので体重が減少する」といった症状も見られることがあります。放置すると誤嚥性肺炎や栄養障害などのリスクも高まるため、早めの対応が大切です。

考えられる主な原因と関係する病気
飲み込みにくい症状は、加齢や筋力低下、神経疾患、消化器や呼吸器の病気など様々な原因によって引き起こされます。
加齢や筋力低下による影響
加齢に伴って筋力が低下すると、飲み込みに必要な口腔・咽頭・食道の筋肉の働きが弱くなり、嚥下機能が減少しやすくなります。筋力低下は、飲み込む時に違和感を覚えることや食物が喉につかえる感じがすること、むせやすくなることなどにつながることがあります。また、脳からの伝達も遅くなることでタイミングが合わず、うまく飲み込めなくなることがあります。
さらに、高齢者の場合は唾液の分泌量も減少しやすく、口腔内が乾燥することでより飲み込みにくさを感じやすくなります。食事の摂取量が減少したり、誤嚥のリスクが長期的に高まったりする可能性もあります。
神経疾患
飲み込みにくくなることの背景には、脳梗塞やパーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経疾患が関わっている場合があります。これらの病気は、嚥下に必要な神経や筋肉の動きに障害をもたらし、食物の正常な運搬が困難になることがあります。
具体的には、反射運動が低下することで食道の入り口が開きにくくなったり、舌の動きや喉の収縮がうまくできなかったり、咽頭や食道へ物が運ばれる過程で機能が低下することがあります。
神経疾患による嚥下障害は、リハビリテーションや専門医による治療が不可欠です。飲み込む際に違和感がある、むせる、痰が増える、肺炎を繰り返すといった症状があらわれた場合は早期に受診し、適切な診断と対応を受けることが重要です。
消化器と呼吸器の病気
食道炎や咽頭炎、逆流性食道炎、食道がんといった消化器の病気は、飲み込みにくさの原因となります。食道や喉の粘膜に炎症や腫瘍が発生すると、食べ物や飲み物が通過する時につかえ感や痛みが生じやすくなります。
また、むせた時に食事などが気管や肺に入ると誤嚥性肺炎や呼吸器疾患に発展し、むせや咳き込み、発熱が生じることもありますので注意が必要です。誤嚥性肺炎の治療により、しばらく食事がとれなくなると嚥下機能がさらに低下する可能性が高まります。消化器や呼吸器の疾患による嚥下障害は、早期発見が重要です。
精神的ストレス
精神的なストレスが原因で飲み込みにくさが生じることもあり、その代表例が咽喉頭異常感症です。
嚥下機能に問題がないにもかかわらず、咽喉頭異常感症は食事の時に限って喉に違和感や圧迫感が生じ、飲み込みにくくなる病気です. 糖尿病や心疾患などの基礎疾患があって起こることもありますが、精神疾患やストレスによって起こるケースが多いです。

見逃さないで! 症状からわかるリスクサイン
飲み込みにくさの症状を注視することで、様々な病気の早期発見ができます。
食事中のむせ・痰・咳き込み
食事中に「むせる」「痰が増える」「咳き込みが続く」という場合は、嚥下障害のサインなので注意が必要です。これらの症状は食べ物や唾液が気管に入りやすくなっている証拠で、誤嚥性肺炎につながるリスクがあります。特に高齢者や慢性疾患のある方は、むせた際に咳を出す反射(咳嗽反射)が弱まっていることもあります。その結果、細菌が肺へ入りやすくなり、発熱や呼吸困難など重篤な症状につながる可能性もあります。食事中に頻繁にむせる場合や痰が絡みやすくなった場合は、医師による診察や嚥下機能の検査を受けることをおすすめします。
声がかすれる、熱が出るなどの全身症状
飲み込みにくさと同時に声がかすれる場合は、喉頭や声帯に炎症や腫瘍、ポリープなどが発生していることが疑われます。また、発熱を伴う場合、誤嚥性肺炎や感染症の可能性も考えられます。全身症状が出る背景には重大な病気が隠れている場合もあるため、軽視せず専門医に相談することが大切です。
早期発見のための検査と受診の目安
飲み込みにくい症状の検査や受診のタイミングについて知ることで、早期発見と予防につながります。
嚥下内視鏡検査と造影検査
嚥下障害の診断には、嚥下内視鏡検査や造影検査などの専門的な検査が行われます。嚥下内視鏡検査は鼻腔ファイバースコープという細い内視鏡を鼻から挿入し、咽頭の動きを直接観察できる方法です。食事の際に色付きのゼリーなどを使い、嚥下動作をリアルタイムで確認できます。
造影検査(嚥下造影)はX線透視下で造影剤を飲み込み、その動きを画像で見ることで機能低下や障害部位の特定を行います。どちらも食べ物がどのように気管、食道を通過するかを分析し、誤嚥の有無や嚥下力の低下などを詳しく診断できるメリットがあります。
症状に合わせて医師が必要な検査を選択しますので、気になる症状がある方はかかりつけ医や耳鼻咽喉科、消化器内科などに相談しましょう。
どの診療科を受診すべき?
飲み込みにくさを感じた際には、まず耳鼻咽喉科や消化器内科などの診療科の受診が適切です。喉や食道への違和感、痛み、声の異常などがある場合は耳鼻咽喉科か内科が、胸焼けや食道炎、逆流性食道炎の症状がある場合は消化器内科が担当となります。神経疾患が考えられる時には神経内科への受診も必要です。
医療機関では詳細な診察や内視鏡検査、造影検査などで原因を特定し、治療方針を提案してもらえます。どの診療科を選ぶべきか迷った方は、かかりつけ医で相談し、適切な科へ紹介してもらうのも1つの方法です。
こんな時はすぐに医療機関へ
「食事中に激しくむせる」「飲み込み動作が著しく困難である」「息苦しさや胸の痛みがある」「発熱を伴う」といった場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。特に高齢者や持病のある方が誤嚥性肺炎のリスクを感じた場合は、迷わず専門医の診察を受けることが重要です。
「突然声が出なくなる」「食事や飲み物がほとんど摂取できない」「体力が急激に低下している」といった症状も、早めに医療機関を受診するべきサインです。病院では、症状や経過に合わせた精密検査(内視鏡・造影・血液検査など)が行われます。
日常生活でできる対策とリハビリ方法
飲み込みにくさの改善には、日常生活での食事や生活習慣の工夫、リハビリが役立つ場合があります。

飲み込みやすくする食事の工夫
飲み込みやすくするための食事の工夫は、嚥下障害の予防と改善につながるとされています。まず、食事内容は柔らかく刻んだものや、ゼリー状やピューレ状に調理したものは、喉や食道への刺激を減らせます。水分を適度に含ませることで、食べ物の滑りが良くなり、つかえ感や違和感を軽減できる場合があります。
高齢者や筋力が低下している方は、粘度調整剤を使用して飲み物を適切な濃度にするのもおすすめです。食事はゆっくりよく噛み、少量ずつ摂取することで誤嚥を防ぎます。刺激の強い食品や固い食材は避け、安全に摂取できる工夫を心がけましょう。家族や介護者がいる場合は、栄養バランスにも配慮し、担当医とも相談してメニューを決めると安心です。
家庭でできる生活習慣の改善
家庭でできる生活習慣の改善には、まず飲食時の姿勢を整えることが大切です。背筋を伸ばし、椅子に深く座り、足底を床につけた状態で食事をとると嚥下力が高まります。足を組んだり、顎を上に向けたりしないようにしましょう。また、食事の前に喉と頸部の軽い運動や発声練習を取り入れることで、咽頭や喉頭の筋肉が目覚め、機能向上につながります。
食後にすぐに横にならないようにすると、逆流性食道炎などのリスクも低減できます。また、ストレスを溜めすぎず、適度に身体を動かし、十分な水分と栄養の摂取にも気を配りましょう。日常のセルフチェックとして、食事を飲み込む際に違和感がないか観察する習慣も重要です。無理なく続けられる習慣を身につけることで、飲み込みにくさの早期改善につながります。
リハビリの選択肢
飲み込みにくさを改善するためのリハビリには様々な方法があります。嚥下リハビリテーションは、専門医や言語聴覚士の指導のもと、喉や舌の筋肉を鍛える運動や機能改善訓練を実施します。代表的なトレーニングとしては、首や喉の筋肉を動かす体操、発声練習、嚥下体操などが挙げられます。
病院やクリニックで専門的な指導を受けながら、家庭でも簡単に取り組めるプログラムも多数開発されています。重度の場合は食事形態の変更や、補助器具の利用が推奨されることもあります。リハビリを始めることで筋力の向上が見られ、誤嚥や嚥下障害の進行を抑える効果が期待される場合があります。
早期のリハビリ開始が回復への近道となりますので、気になる症状がある方は医療機関で相談してみましょう。
まとめ:飲み込みにくさを感じたら迷わず行動を
飲み込みにくい症状の原因や、嚥下障害のリスク、検査や治療の方法、日常生活での対策について解説しました。違和感やつかえ感がある場合は早めに医療機関を受診し、適切な診断や対応を受けることで重症化の予防につながります。不安な症状があっても、正しい生活習慣やリハビリテーションで改善が期待できる場合もあります。
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