卵巣がん検診はどこで受けられる? 検査内容と受診の流れガイド

2025/06/25
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卵巣がんには初期症状がほとんどなく、発見が難しい「沈黙のがん」とも呼ばれています。多くの方が「定期的な検診で早期発見できるのでは?」と考えるかもしれませんが、乳がんや子宮頸がんのような公的な検診は存在しないのが現状です。これは、卵巣がんのスクリーニングとして確立された手法がないためです。

とはいえ、卵巣がんの検査が全くできないわけではありません。国が推奨するがん検診として定められていないものの、自費の超音波検査や腫瘍マーカー検査といった方法で卵巣の状態を確認することは可能です。

この記事では、卵巣がんの早期発見のためにどのような検査が受けられるのか、費用はどれくらいなのか、受診すべきタイミングはいつなのかなど詳しく解説していきます。
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目次

卵巣がんとは? 早期発見の難しさ


卵巣がんは、卵巣に発生するがんです。初期症状が乏しいため、早期発見は難しいと言われています。

卵巣がんの初期症状と進行

卵巣がんは進行してから痛みや不快感が生じるケースが多いと言われています。

腹部の膨張感や食欲の低下、下腹部の痛み、不正出血が見られることがありますが、これらの症状は一般的な体調不良と区別が難しく、見過ごされがちです。
さらにがんが進行すると、腫瘍によって胃腸の圧迫や頻繁な排尿、便秘などの症状が現れることがあります。また、腹水がたまってお腹が膨れることもあります。

かかりやすい人の特徴(遺伝・生活習慣・他疾患など)

卵巣がんのリスクとして、遺伝的要因が挙げられます。約10%は遺伝的要因があると考えられており、BRCA1またはBRCA2遺伝子に変異を持つ人は乳がんと卵巣がんのリスクが高くなることがわかっています。

遺伝子変異があるから必ず卵巣がんを発症する、というわけではありません。しかし、母親や姉妹など、家族に卵巣がんに罹患した人がいる方は、遺伝カウンセリングなどが受けられる場合があります。気になる方は医療機関で相談するといいでしょう。

その他の因子としては、

  • 出産経験がない
  • 初経が早い、閉経が遅い
  • 肥満である
  • ホルモン補充療法を経験している


ことなどが挙げられます。

卵巣がんにかかりやすい人の特徴

これらに当てはまる方は、特に注意が必要です。

卵巣がん検診は存在するのか? 実際の検査方法について


現時点では日本の指針として定められた卵巣がん検診はありません。しかし、卵巣がんの早期発見のために有用な検査方法はいくつか存在します。

もし「症状がないけれど、卵巣の状態を確認したい」という場合は、原則的に自費で検査を受けることになります。希望する場合、婦人科や健診施設で「卵巣がん検診」を受けられるか確認しましょう。

定期検診としての確立されていないが、自費で検査可能

卵巣がんの検査は定期的なスクリーニングがまだ普及していないのが現状です。しかし、自費で検査を受けることは可能です。

卵巣がんの検査として代表的なものに超音波検査や腫瘍マーカー(CA125)検査があります。超音波検査は画像診断の一種で、卵巣の形状や大きさを確認するのに適しています。腫瘍マーカー検査は、血液中の特定のタンパク質の量を測定し、がんの存在を推定するのに役立ちます。

定期的な検診方法が確立していないため、特に家族歴や遺伝的リスクが高いとされる女性は、医師に相談し、定期的な検査を受けることをお勧めします。

検査の種類(画像診断/血液検査など)

卵巣がんの検査にはいくつかの種類があり、代表的なものとしては超音波検査、血液検査が挙げられます。

  • 超音波検査
    主に経腟エコーによる超音波検査が行われます。卵巣の形状や内部構造を詳細に観察可能です。詳細については「卵巣がん エコー」に関する記事をご参照ください。


  • 血液検査
    卵巣がんで高値となる腫瘍マーカーであるCA125の値を調べます。他の検査結果と併せて総合的に判断されます。


  • 内診
    膣から指を入れて子宮や卵巣の状態を調べます。腹部や直腸から行うこともあります(触診、直腸診)。

検査の目的と痛みの軽減について

卵巣を検査する目的は、卵巣に良性あるいは悪性の腫瘍がないかを調べることです。検査の主要な目的は病気の発見ですが、卵巣の機能や他の異常もチェックできるため、全体的な婦人科検診の一環としても有用です。

検査の中には痛みや不快感を伴うものもありますが、痛みを軽減するための工夫や対策もあります。例えば、内診や経腟超音波検査を受ける際に、事前にリラックスすると不快感を大幅に軽減できます。不安がある場合はスタッフに伝えましょう。

検査を受けるには?―費用・施設・予約の流れ


卵巣がん検診を受けるにあたっては、「卵巣がん検診」を設定している施設を選び、費用を確認しましょう。

費用の目安と保険適用

卵巣がん検診にかかる費用は保険適用されず、原則として自費となるため十割負担です。症状がある場合は一般診療となり、保険適用になります。
費用は設定されている検査の種類や施設によって異なりますので、確認しておきましょう。

一般的には、超音波検査や血液検査といった初期段階の検査だけであれば比較的安価です。CTやMRIのような詳細な画像診断を行う場合は高額になるでしょう。
具体的な費用が知りたい場合、受診を希望する健診施設に問い合わせるのが確実です。

どこで受けられる? 検診施設と相談方法

卵巣がん検診には国が定めた方法はないため、独自に「卵巣がん検診」を設定している健診施設や医療機関(婦人科)で受けることとなります。まず、お住まいの地域の病院やクリニックで卵巣がん検診を実施している施設を選びましょう。インターネットで医療機関を検索すると、手軽に見つけられるでしょう。予約の際には、検査の内容や当日の持ち物、注意点などについて聞いておきましょう。また、健康診断を受診の際に項目を追加するのも1つの方法です。


こちらのページから、卵巣がん検診を実施している医療機関を検索できます。「以前婦人科疾患を指摘された」「高リスクに該当する」などの理由で受診をご検討されている方は、ぜひご活用ください。

卵巣がんの予防と日常生活でできる対策


卵巣がんに限りませんが、がんの予防には日常生活が大切です。以下に具体的な対策をご紹介します。

  • 野菜や果物を多く摂るなど、適切な食事と栄養摂取を心がける。
  • BMIが21~25の範囲になるように体重を管理する。
  • 適度な運動を取り入れ、体重管理を行う。週に数回のウォーキングや軽いジョギングなどがおすすめです。
  • 気になる症状があれば、放置せずに婦人科を受診する。
  • ストレスをためないようにし、リラクゼーション法や趣味を楽しむ時間を持つ。
  • 禁煙し、過度の飲酒を避ける。


これらの対策を日常生活に取り入れましょう。

まとめ:卵巣がん検診は自費で受けられる


卵巣がんは初期症状がほとんどなく発見が難しいため「沈黙のがん」と呼ばれており、遺伝的リスクや家族歴がある人は特に注意が必要です。

乳がんや子宮頸がんのように公的な定期検診はなく、確立されたスクリーニング方法もありませんが、自費で超音波検査や腫瘍マーカー検査を受けることは可能です。卵巣がんの予防には適切な食事や運動、体重管理、禁煙、ストレス対策が有効です。気になる症状があれば早めに婦人科を受診しましょう。

記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。
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