※ 下記の中和抗体価とその効果に対する関連性は、あくまで統計上の参考値となりますので、
感染しないことや重症化を防ぐ保証とはなりません。予めご注意ください。
※ スマート脳ドックにおける「新型コロナウイルス 中和抗体検査(S抗体)」では、
ロシュ・ダイアグノスティックス社 「Elecsys® Anti-SARS-CoV-2 S RUO」での検査を提供しています。
抗体検査の結果は、ウイルス感染予防や重症化を抑える効果のある中和抗体の量(中和抗体価)を基準に示されます。
基本的に抗体価が、以下の基準で判定されます。
検査の種類 | 陰性(抗体なし) | 陽性(抗体あり) |
ロシュ製 | 0.8 U/mL 未満 | 0.8 U/mL 以上 |
アボット製 | 50 AU/mL 未満 | 50 AU/mL 以上 |
感染予防や重症化を抑える効果と抗体価の数値との関係性は、現在世界中で研究が進んでいる最中となり、 同じ陽性で抗体価の数値に大きな差があった場合でも、「数値が低いから感染リスクが高い」といった断定は難しい状況です。
感染予防や重症化の抑制に有効とされる「ワクチンの2回摂取後3~4週間経過」した、 コロナ感染歴のない方のロシュ製による抗体価は 1,974.5 U/mL 程度(中央値) であったことが、ドイツの医療機関から報告されています。
ロシュ製検査における抗体価とワクチン接種状況
ワクチン 接種状況 | コロナ感染症 | |
なし | あり | |
接種前 | 0.8 U/mL 未満 | 約 100 U/mL 程度 |
1回目 ワクチン 接種後 | 約 100 U/mL 程度 | 約 10,000 U/mL 程度 |
2回目 ワクチン 接種後 | 1,974 U/mL 程度 | 43,073 U/mL 程度 |
※ ファイザー社ワクチン接種状況に対する統計データの中央値となります。
※ 参照:The Lancet / Antibody response to first BNT162b2 dose in previously SARS-CoV-2-infected individuals
なお、アボット製でのワクチン接種後(28日以降)の抗体価についても、6,396 AU/mL(中央値)と報告されています。
(参照:Clinical Evaluation of the Abbott Alinity SARS-CoV-2 Spike-Specific Quantitative IgG and IgM Assays among Infected, Recovered, and Vaccinated Groups)
また、上記の表の傾向からもわかるように、抗体価の数値は「コロナ感染歴」によって100倍以上の差が出る場合があることも判ってきました。
コロナ感染歴以外にも様々な要因によって、ワクチン接種後の抗体価に影響を持つ傾向が確認されています。
ワクチン接種後の抗体価(因子との関連性)
※ 参照:千葉大学医学部付属病院 ニュースリリース(2021年6月3日)
今後も世界各国で研究が行われ、新型コロナウイルスの解明が進んでいくことで、これらの抗体価の解釈も変化していく可能性があります。
ブレイクスルー感染と呼ばれる、抗体を持ちながらも感染してしまうケースや新たな変異株の出現も報告されているため、抗体価が高い状態でも感染の可能性はゼロではありません。
一方で、時間経過によって抗体価が減少しても、ワクチンによる予防効果がなくなったとも証明はされておりません。
感染リスクは、生活されている環境やワクチンの接種有無、及びワクチン接種からの時間経過によって変化することに注意が必要です。
そのため、感染予防のためには、ワクチンの接種だけに留まらず、その後もご自身の状態を把握や、日頃の手洗い/うがい、三密の回避など、基本的な対策を継続していくことが重要となります。