2022/11/18 ( 公開日 : 2021/11/24 )

痰が絡むのはどうして? 長期的な痰に悩まされる時は病院を受診しましょう

症状
くすり せき 呼吸器
この記事は約4分で読めます
痰は風邪が原因のこともありますが、痰の絡みが長い期間続くときは風邪以外の可能性もあります。痰が絡んでいるということは、気道に何か異常があるということです。では具体的にどのような原因が考えられるのでしょうか。今回は痰が絡む理由や原因、考えられる病気や緩和させる方法などについて解説いたします。
目次

痰はなぜ出るの?

痰は口や鼻と肺をつなぐ気道から出る分泌物です。痰は気管にある細菌やウイルスなどの異物を排出するために分泌されます
気管とはもっとも太い気道のことです。そして痰が分泌されているということは、体の防御反応が細菌やウイルスに対して正常な働きをしているといえるでしょう。

細菌やウイルスを追い出すために重要になるのが、気道の表面にある繊毛です。繊毛は細かい毛のような形をしており、粘液がキャッチした異物を繊毛の働きによって押し出しています。
繊毛によって異物が押し出されることで咳が出るのです。

とくに細菌やウイルスなどの異物がなくても、煙やほこりを吸い込めば咳や痰が出ます。
そのため、痰が出る=風邪というわけではありません。
ただし痰の量が多い場合は、体が必死に細菌やウイルスを押し出そうとしていることが多いと考えられます。

痰が絡む理由

痰が絡むのは細菌やウイルスに感染したり、汚れた空気やホコリを吸い込んだりしていることが原因です。
健康な状態でも痰は分泌されていますが、普段は粘性が少なくサラサラしています。

しかし体に異物が侵入すると、それを押しだそうとするため粘り気が増して絡むようになるのです。繊毛の運動機能が低下して、痰を押し出しにくくなることも原因です。
痰の粘り気が強くなるほど排出できずに気道にたまってしまうため、のどにへばりついて絡む状態になってしまうこともあるでしょう。

また喫煙している方も痰が多くなる傾向にあることが特徴です。タバコに含まれている有害物質を体の外に出そうとするため、どうしても絡まりやすくなってしまうのです。

痰はどんな病気のサイン?

痰が絡んでいるから何か病気になっている、というわけではありません。
多くは細菌やウイルスなどの感染症が原因です。しかし長期間にわたり症状が続く場合は、次のような病気の可能性も考えられます。

気管支喘息

気管や気管支に炎症が起こる疾患です。呼吸のしづらさや長引く痰がよく見られます。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

主に喫煙によって発症する疾患です。気管支に炎症が起き、数週間から数年以上続く咳が起こります。

気管支拡張症

気管支が拡張したまま戻らない病気です。拡張した部分に細菌やカビなどが繁殖して炎症を起こします。

肺結核

結核菌の感染により、痰や熱、咳などの症状が出る病気です。

肺がん

肺に発生するがんです。血が混ざった痰が出ることがあります。

誤嚥性肺炎

唾液や食べ物が食道ではなく気道に入ってしまうことで起こる肺炎です。

急性咽頭炎

細菌やウイルスに感染したり、声を使いすぎたりすることで発症します。

▼CT肺・心血管ドックについて詳しく知りたい方はこちら

CT肺・心血管ドックとは

CTスキャンによって胸部の撮影を行い、肺、心臓、血管の状態を詳細に検査できます。レントゲンでは確認しにくい部分も調べることが可能。

痰の色について

健康な方であれば、痰の色は無色透明でサラサラしています。しかし、細菌やウイルスに感染すると黄色や緑など色が変わることが特徴です。

濁った白・・・気管支炎、気管支喘息、ウイルス感染症
黄色・・・細菌やウイルスなどの感染症
緑、黄緑・・・緑膿菌による感染、蓄膿症
黒っぽい茶色、赤褐色・・・肺炎、肺結核、肺がん
鮮血が混ざった色・・・肺出血、強い炎症 など

緑色の痰が出るときは、細菌に感染している可能性が考えられます。
症状が長引く場合は抗生物質での治療が必要になるため、医療機関を受診しましょう。

また赤や茶色の痰が出るときも要注意です。
この場合は単なる風邪ではなく、何かしらの病気が潜んでいる可能性が高いと考えられます。

できるだけ早めに医療機関を受診して、治療を始めることが大切です。

痰が絡む時に緩和させる方法

痰が絡むとのどがイガイガしたり、違和感があってつらいものです。
そのようなときは水分をたっぷり取って痰を薄めたり、部屋を加湿したりしてのどの乾燥を防ぎましょう。

どうしても症状が改善しない場合は、医療機関を受診するようにしてください。

禁煙をすると一時的に痰がかえって増えることもありますが、これは禁煙によって肺の機能が向上したことが原因です。 一時的なものなので心配はいりません。

痰が絡む時にしてはいけないこと

痰が絡むからといって、むりに痰切りをしたり咳を何度もしたりしていると、のどの粘膜を痛めてしまうことがあります。
むりやり痰を出そうとするのは控えるようにしましょう。

また、うがいのしすぎもよくありません。痰の絡まりが気になるときは水分を多めに摂り、部屋を加湿したり去痰薬(痰を吐き出すのを容易にする薬剤)を服用したりしてみてください。

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長期的に痰が絡む場合は病院を受診しよう

痰は健康な方でも分泌されているものです。しかし長く続く痰の場合は、何か病気が隠れている可能性があります。
一時的なものであれば、のどの炎症が取れるころには痰も落ち着いてくるので心配いりません。

しかし痰が絡んで呼吸がしづらかったり、去痰薬を使っても症状が改善しなかったりする場合は医療機関を受診しましょう。また痰の色が緑や黄色、赤や茶色などの場合も治療が必要なことが多いものです。
たかが痰と思わず、気になる症状があるときは早めに治療を始めるようにしてみてください。

よくある質問

Q 痰が長期で絡むときには何科に行けばいいですか?
A 呼吸器内科を受診しましょう。
記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。

気になる方は、即日予約・受診可能です。
所要時間10分、検査は3分の
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監修医 伊藤 晴紀 (いとう・はるき)
元メディカルチェックスタジオ医師・医学博士

同じ病気でも、患者様ひとりひとり治療方針は違ってきます。それぞれの生活やバックグラウンドに合った医療を提供できるよう心がけております。
患者様が健康で長生きできるよう、診断・治療だけでなく、最新の医療知識を織り交ぜながら診察しております。

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