2021/08/26 ( 更新日 : 2021/09/09 )

40代から発症が増える脳腫瘍、脳の健康診断(脳ドック)を一度は受けておきたい

症状
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脳腫瘍は多くが良性のものですが、がんが転移したものや、神経膠腫(グリオーマ)と呼ばれるものは、悪性である確率が高いです。脳にできる腫瘍の分類や、体に出る症状、診断や治療について、この記事では詳しくご説明いたします。
目次

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脳腫瘍とは?

脳腫瘍は人口10万人あたり10〜12人程度に発症する、まれな病気です。
40代、50代での発症が多いですが、子供に多くみられるタイプの脳腫瘍も存在します。

原発性と転移性

腫瘍(しゅよう)とは、組織、細胞が体の制御に従わずに、過剰に増殖することでできる組織の塊のこと。
脳の中にできる腫瘍は、大きく「原発性」と「転移性」のものに分類できます。

原発性脳腫瘍
脳自体(脳の細胞、脳を包む膜、脳神経など)から発生した腫瘍。

転移性脳腫瘍
脳以外の場所でできたがん細胞(悪性腫瘍)が、血管などを通り、脳に転移して腫瘍となるのが転移性脳腫瘍です。
肺がん、乳がん、大腸がんなど、体の内部の様々ながんが脳には転移することが知られています。

脳実質内腫瘍と脳実質外腫瘍

原発性脳腫瘍は、「脳実質内腫瘍」と「脳実質外腫瘍」に分けられます。
「脳実質内腫瘍」というのは、脳そのものから発生する腫瘍で、「脳実質外腫瘍」は、脳を包んでいる膜や、脳神経、下垂体などから発生して脳を圧迫する腫瘍です。
脳実質内腫瘍には、神経膠腫(グリオーマ)という腫瘍や、悪性リンパ腫などがあります。

脳実質外腫瘍には、脳を包んでいる髄膜にできる髄膜腫や、脳から出る細い神経にできる神経鞘腫、脳の下方にぶら下がっていて様々なホルモンを分泌している下垂体にできる下垂体腺腫などがあります。

脳腫瘍の大まかな分類についてお伝えしましたが、脳腫瘍は150種類以上の分類があり、それぞれに適した治療法が選択されます。

図 脳腫瘍の分類

頭痛、嘔吐など、部位によって異なる症状

脳腫瘍による症状は大きく以下の3つの分類され、脳腫瘍の発症した場所や状態によって内容が異なります。

・頭蓋内圧亢進症状
・局所症状
・痙攣発作

頭蓋内圧亢進(ずがいないあつこうしん)症状

腫瘍の発生と増大によって、頭蓋骨内部の圧力が高まることを、頭蓋内圧亢進(ずがいないあつこうしん)と呼びます。
主な症状としては、慢性的な頭痛、吐き気や嘔吐、視力低下などが挙げられます。

頭蓋内圧は睡眠時や横になっている時に上がりやすいため、明け方や起床してすぐの時間帯に出やすいとされています。

局所症状

局所症状は、腫瘍が発生する脳の部位によって異なります。

表1 腫瘍の発生部位と症状
腫瘍の発生部位 症状
大脳 手足の麻痺や歩行障害、しびれ・感覚障害、言語障害、視野の狭まり、ふらつきなど、多岐にわたる
脳下垂体 ホルモンの分泌異常、手足の先端近くの骨が大きくなる(末端肥大)、女性なら生理不順など
小脳・脳幹 めまい、手足の不自由や震え、難聴や耳鳴り(※内耳神経が圧迫されている場合)

痙攣発作

痙攣発作の頻度は、腫瘍の性質や発生部位によって様々です。
体が硬直して意識を消失する「大発作」、意識はあるけれど体の片側の手足が意思と関係なく動く「小発作」、一点を見つめた状態で反応がなくなる「精神運動発作」などに分けられます。

脳腫瘍が原因となって、上記のような体の不調や異変は起きることがありますが、軽い症状であったり、ゆっくり症状が強くなる場合は、ついつい見逃してしまいがちになります。
感じたことのない違和感や、自分の体に初めて起こった現象に気付いたときには、スルーせずに病院へ行きましょう。

最も多い悪性腫瘍は神経膠腫(グリオーマ)

脳実質内腫瘍の中に、神経膠腫(グリオーマ)と呼ばれる腫瘍があります。
これはグリア細胞という、神経細胞以外で神経系を構成している(神経細胞の活動をサポートしている)細胞が増殖した腫瘍です。
悪性の原発性脳腫瘍の多くを占めるのが、この神経膠腫であるといわれています。

割合としては、原発性脳腫瘍の25-30%を占有。

脳を包んでいる髄膜に発生する「髄膜腫」はほとんどが脳組織との境界が明らかなため、手術摘出で良い治療成績が得られます。
悪性である場合は2〜10%に過ぎないことも覚えておきましょう。

また、脳神経を取り巻いている神経鞘に発生する神経鞘腫や、脳下垂体にできる下垂体腺腫は、いずれも良性のため小さなものや症状のないものは経過観察になることも多いです。

診断・治療について

MRIやCT、PET検査などの画像診断とともに、診察や必要があれば他の検査も行い、総合的に腫瘍の種類や病期(ステージ)を判断します。

脳腫瘍は150種類以上の細かな分類がありますが、実際に腫瘍を摘出して標本を作り、細胞を見てみないと、診断が難しいこともあります。
それゆえに手術中の病理診断によって、手術のやり方が変わることもあります。
手術だけでなく、術後の補助療法も重要です。脳腫瘍を専門とする経験豊かな医師が在籍する医療機関を受診することをおすすめいたします。

まとめ|脳ドックを一度は受けておきたい

脳自体には痛覚がないため、通常の生活を送る中で脳腫瘍を早期発見することは難しいことが少なくありません。
今までとは違う頭痛や手足の症状など、日々の身体変化に隠れて症状は進行しがち。

脳ドックを初めて受診された方の中には、時に自覚症状がないまま脳腫瘍が発見される方もいます。
健康診断ではわからない、脳の中で進行するリスクを摘み取るためには、40歳になったら一度は脳ドックを受診しておくことをおすすめいたします。
異常がなにも見つからなかったときにも、脳が健康な状態だったときの画像は、その後何十年にもわたって役立ちます。

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監修医 久保田 叔宏
(くぼた・よしひろ)

メディカルチェックスタジオ新宿クリニック院長・医学博士
脳ドックによって脳血管疾患や脳腫瘍など様々な脳疾患を早期に発見し、早期に対応することを重視しています。生活習慣病を指摘された方や漠然と健康状態に不安を抱いている方だけでなく、健康診断で異常なく元気に日常生活を送っている方も、一度は当院の脳ドック受診をお勧めします。

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