2022/04/05 ( 更新日 : 2022/05/27 )

肥満症、高度肥満症とは? 生活習慣の改善方法についてもご紹介します!

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「最近お腹が出てきた」「年齢を重ねるにつれて体型が気になる」など体型の変化が気になる方の中には「肥満」に該当する方もいるかもしれません。肥満はそのまま放っておくと、治療が必要になることもあります。この記事では「肥満」の基準や原因、予防や治療の方法などを解説していきます。
目次

肥満とは?

「肥満」とは、体脂肪がある基準より蓄積している状態のことです。
体に蓄積された脂肪のことを、体脂肪といいますが、これは脂肪細胞に蓄えられていて、脂肪細胞が大きくなって増えることで外見にも変化が現れてきます。

ここまで読むと脂肪は悪い存在に思えるかもしれませんが、「体温を保つ」「エネルギーの貯蔵」「内臓を衝撃から保護する」などの非常に大切な役割もあります。

脂肪は適度に必要なものですが、必要以上に蓄積すると「肥満」になってしまいます。

肥満がなぜよくないかといえば、それは糖尿病や高血圧などの生活習慣病を発症するリスクが高くなるためです。
肥満はその程度によっては、治療が必要になる場合もあります。

肥満の原因

肥満の原因としては、生活習慣の乱れが何よりもまずあげられます。
食べ過ぎ、飲み過ぎによって1日で使いきれない余分なエネルギーが残り、脂肪の形になって貯蔵されます。

また糖が中性脂肪として脂肪細胞で蓄えられるため、過度な当分摂取はひかえる必要があります。

肥満の判断基準

肥満はBMIを判断基準としています。 BMIとはBody Mass Indexのことで、体重(kg)÷ {身長(m)の2乗}でもとめることができます。

◇具体例

体重:60kg
身長:1.7m の場合
BMIは約20.7です。

日本国内ではBMIで18.5未満は「痩せ型」、18.5~24.9は「標準体型」、25以上は「肥満」であるとされています。

しかしながら、BMIでは脂肪が多いのか筋肉が多いのかはわかりません。
そのため体を鍛えている方は、体重が重くても肥満とはいえないこともありますので、参考材料のひとつとして考えましょう。

内臓脂肪と皮下脂肪の違い

脂肪はつく場所によって、おもに「内臓脂肪」と「皮下脂肪」のふたつに分けられます。

内臓脂肪は男性につきやすく、皮下脂肪は女性につきやすいです。
皮下脂肪よりも内臓脂肪が体につく方が、生活習慣病のリスクを高めることが知られています。

内臓脂肪

内臓脂肪は文字通り、内臓のまわりにつく脂肪のことで、皮下脂肪と比べて蓄積されやすいことで知られています。

皮下脂肪

皮下脂肪は皮下につきやすい脂肪です。
内臓脂肪にくらべると蓄積はしにくいですが、消費もしにくい脂肪です。
皮下脂肪が蓄積された状態を「皮下脂肪型肥満」といい、皮下脂肪率やキャリパー法で診断できます。

皮下脂肪は内臓脂肪に比べ、生活習慣病にはつながりにくい脂肪です。
しかし身体には負荷がかかるため、膝を痛めて活動量が減ってしまうなどの影響があります。
また内臓脂肪が増えることにもつながりますので、油断はできません。

蓄積しやすさ 燃焼しやすさ 生活習慣病リスク
内臓脂肪 高い
皮下脂肪 低い

治療が必要な肥満:「肥満症」「高度肥満症」

肥満症

『肥満症診療ガイドライン2016』では、肥満症の定義として

肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測される場合で、医学的に減量を必要とする病態をいい、疾患単位として取り扱う

とされています。

肥満症はBMIの数値だけでは判断せずに、健康障害を合わせ持っていたり、または内臓脂肪が蓄積している状態を医師が診察して総合的に判断されるということです。

【判断基準】

・BMI数値が25~35
・肥満に起因ないし関連する健康障害がひとつ以上
・内臓脂肪が蓄積しているかどうかは腹囲を測り、男性は85cm以上、女性は90cm以上のときにCTで内臓脂肪面積を測定。内臓脂肪が100平方センチメートル以上であれば内臓脂肪型肥満となる

高度肥満症

上記でもご紹介した肥満症診療ガイドライン2016にて、

高度肥満症は肥満に起因ないし関連する健康障害がひとつ以上あること、内臓脂肪が蓄積していること、さらにBMIが35以上であること

が判断基準とされています。
同様にBMIの数値だけで肥満症と区別しているのではありません。

肥満症・高度肥満症の治療方法

肥満症と高度肥満症については、医師の指導のもとで治療をおこないます。
目標としては、以下のような目標が目指されるでしょう。

・肥満症 → 今の体重から3%以上の減量
・高度肥満症 → 今の体重から5~10%以上の減量
(睡眠時無呼吸症候群を合併している場合は、15%の減量)

治療法としては、「食事療法」で摂取するエネルギーを減らし、「運動療法」で消費エネルギーを増やします。 これら「食事療法」「運動療法」を継続、強化するために、「行動療法」も実施します。

生活習慣改善療法

生活習慣の改善が基本となります。食事療法で摂取エネルギーを減らし、運動療法で消費エネルギーを増やしていきます。
食事療法と運動療法を継続、強化するために行動療法も行います。

◇食事療法

  • BMIが30以下であれば、1日あたりの摂取エネルギーを1,000~1,400kcal/日に設定
  • 糖質類の制限を行い、タンパク質摂取エネルギーの15~20%、脂質が20%以下になるように調整
    (タンパク質は標準体重1kgあたり最低でも1gは必要とされているため、摂取量が少なくなりすぎないようにしていきます)

◇運動療法

  • 肥満症でも運動は有酸素運動が効果的
  • 肥満の方は運動不足の人が多いため、まずは歩くことが基本で可能であれば早歩きやジョギングなどを行う
    (運動強度は低~中程度を目安にし、最低でも週3回)

◇行動療法

  • 食事療法や運動療法の動機付けを行うなど適切な行動を促す
    (具体的には、運動前のメディカルチェックや適切な運動の実施・制限の指導)

高度肥満症に有効な外科療法

高度肥満症の場合には、外科手術により長期的に減量が維持できるとされており、肥満関連健康障害の改善効果も大きいとされています。

日本で最も行われている手術は「腹腔鏡下スリーブ状胃切除術」で、胃の大彎側(外側)を切除・摘出して胃を細くし、食事の摂取量を制限するというものです。

【外科手術が対象となる条件】

  • 18~65歳の原発性肥満であること
  • 高度肥満症であること
  • 6カ月以上の内科治療で改善が見られないこと
  • ただし代謝障害を合併している場合には、高度肥満症でなくともBMI32以上であれば手術が認められる

肥満の予防方法

肥満の予防・治療のためには、食事と運動の習慣改善が重要です。
ここでは食習慣と運動習慣を改善する際のポイントを解説していきます。

食習慣

過度な食事制限をする必要はありません。バランスの良い食事を取りながら、糖の過剰な摂取と中性脂肪を増やす原因になると言われている「飽和脂肪酸」の摂取をできるだけ控えるべきです。
食事は3食をしっかり食べて、間食や夜食は控えましょう。

運動習慣

運動はウォーキングやランニングなどの有酸素運動が効果的です。
中強度の長め(30分程度)の運動を行うことで、脂肪が燃焼されやすくなります。

日頃から運動不足の方は、エスカレーターやエレベーターではなく階段を使ったり、車を使うのではなく歩いたりと、少しだけでも運動する意識をするだけでも良いです。
自身のペースで継続することを目標にしましょう。

肥満になると病気リスクがアップ! 生活習慣の見直しをしよう

BMIが25を超えると生活習慣病のリスクが高まります。特に内臓脂肪型肥満はメタボリック症候群となりやすく、さまざまな病気を引き起こすきっかけになり得ます。
血管内に脂質が増えることで、動脈硬化になりやすいため、少しずつでも生活習慣の改善を心がけていくことが大切です。

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2022/04/05 (更新日:2022/05/27)

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