2021/10/21 ( 更新日 : 2021/11/22 )

頭部MRI検査で副作用は出る? 造影剤を使用する際のリスクについても説明

検査
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体内の状態を確認するために、医療機関ではさまざまな「画像診断装置」を使って検査を行います。MRI検査もそのひとつで、磁力と電波を使って全身の状態を細かく画像化し、病気などを発見します。放射線を使用しないので「放射線被ばく」の影響がないことをご存じの方は多いと思いますが、副作用などは何もないのでしょうか? この記事の中では頭部MRI検査の副作用について説明いたします。
目次

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MRI検査に副作用はあるの?

MRI検査は磁力と電波で体の細胞にある「水素分子」を確認する検査です。
磁力によって整列した水素分子に電波を当てると、元に戻ろうとする速さが細胞によって異なります。
その違いをコンピュータで処理して、画像化したものがMRI検査の原理です。

磁力と電波で影響を受けた水素原子は、検査が終わったあとには自然の状態に戻るわけですが、少なくともMRI検査で使用される強さや時間では、細胞に変化を及ぼすことはないとされています。

これからも更に安全性についての調査は続きますが、現状ではMRIによる副作用(健康被害)は考えなくてよいとされています。

MRI検査で注意が必要なケース

脳のMRI検査は体への影響が少ない検査とされていますが、検査によって体調を崩される方もいます。 MRI検査は仕組みの上で、どうしても大きな音が発生してしまいます。
また検査時間も15分~60分と比較的長く、検査中は狭い場所にじっとし続けることが負担となる場合もあります。

安全な検査のためにも注意を必要とする方がいますので、当てはまる方や不安のある方は医師に相談をしましょう。

 

アレルギー・ぜんそくのある方

MRI検査はより血管を見やすくするために造影剤を用いることがありますが、アレルギー体質の方やぜんそくをお持ちの方は造影剤の副作用が出やすい傾向にあります。
もちろん万全の体制で受診者様の安全を最優先で考えていますが、体調や持病を含めて医師に相談をしましょう。
造影剤を使用するリスクと、使用した際のメリット(ベネフィット)を医師が比べた上で、最も適切な検査が受診できるようになっています。

 

授乳中の方

MRI検査は母乳の成分や分泌量などに影響を与えることはありません。
造影剤を用いたMRI検査では母乳中に造影剤の成分がわずかに移行します。
MRI検査で多く使用される造影剤を例に挙げると、投与後24時間以内の授乳では造影剤の約0.0004%が子どもの消化管から吸収されるというデータがあります。
この量は非常に微量で、人体に影響を及ぼす量ではないとされています。
 
しかしより安全な検査のために、造影剤使用後24時間~48時間は授乳を控えるようにお願いする医療機関も多くあります。

 

閉所が極度に苦手な方

MRI検査は15分~60分と、比較的長い時間がかかります。
検査中は狭い空間でじっとしている必要があるため、人によっては受診が難しい方もいます。
狭いところや音の問題で大きな負担を受けてしまう場合には、検査によって体調を崩してしまうことも充分に考えられます。
なるべく安心して検査を受けられるように、医師に不安や心配を相談してから検査に臨みましょう。

磁場酔いが起こることも

MRI装置では、体が磁場に晒されますが、このことにより「めまい」「吐き気」「頭痛」などが起こることがあります。
これは体内を流れる電流が、磁場の影響を受けることに起因して発生します。

一過性の症状であるため不安になる必要はありませんが、ときに磁場で酔ったような症状が起きることは知っておきましょう。

MRI検査を受けるときの注意点

MRI検査で使用される磁力や電波は、体に及ぼす影響がほぼないという考え方が一般的です。
しかし磁力と電波を使用する仕組みのために、検査室へ持ち込めない物や、検査時には注意しなくてはならないことがあります。

埋め込み型医療機器を使用中の方

医療機器には金属部品を用いる物が多くあります。
MRI検査の影響を受けない技術開発が進み、現在使用されている医療機器の多くはMRI検査をそのまま受けることができます。

しかし過去に埋め込んだ部品が必ずしもMRIの影響を受けないとは限りません。
ペースメーカーや人工関節など、体内に埋め込み型の医療機器をご使用の方は、医師にその旨をお伝えください。

 

鉄剤や鉄サプリメントを服用中の方

鉄剤やサプリメントに含まれる鉄の形は、一般的にはMRI検査の影響を受けます。
人体への悪影響ではなく、MRI検査で出力される画像に乱れが生じる可能性という面での影響です。
検査結果に影響を及ぼさないために、医療機関によって異なりますがMRI検査の数時間前~前日は服用を控えていただくことがあります。

 

入れ墨(タトゥー)や化粧品について

メガネやアクセサリーなど、検査室に持ち込めない製品があります。
その他の注意点として、入れ墨のインクや一部の化粧品には金属成分が入っていることがあり、MRI検査によって熱くなる事例が報告されています。
MRI検査の際には化粧やマニキュア類を落とし、難しい場合には医師に相談をしましょう。

ヒートテックなど機能性肌着の着用について

MRI検査では湿った衣服は火傷のリスクになります。
体を暖かくする仕組みをもつ機能性肌着は、高い保湿性と吸水性があるため、通常の衣服よりも湿っています。
ゆえに磁場の中の電波によって誘導電流が流れやすく、火傷が起こりやすくなります。

造影剤を使用する場合の副作用

造影剤を使用するMRI

MRI検査は全身の臓器や血管など、細かい部分までも確認することができる検査です。
しかし検査の目的によっては、より確認しやすくするために「造影剤」という薬を使ってMRI検査をすることもあります。
 
脳のMRIでは、血管をより詳細に確認するために造影剤を使うことがあります。
脳の血管を詳しく映し出して確認することで、血管の奇形や血管の瘤(こぶ)などの発見がしやすくなります。

造影剤のリスク

造影剤は主に腕の静脈から体内に投与します。
副作用が出る場合には投与した直後に起こることが多く、「かゆみ」「蕁麻疹」「吐き気」「くしゃみ」などの症状が報告されています。
ごくまれに「呼吸困難」「全身性ショック」などの重い副作用が出ることもあります。
こうした副作用に備えて、迅速に対応ができるよう医療体制が整えられています。

また、重篤な腎障害の方は造影検査を受けることができません。

検査後しばらく経過してから(数日以内)副作用が出ることもあります。
軽い症状がほとんどですが、その場合には医療機関へ連絡をして医師の指示を聞きましょう。

  

MRI検査で副作用が現れる割合

MRI検査は安全性が高い検査としても知られ、脳ドックなど予防的な検査としても利用されています。
データとしては、MRI検査を受診されて副作用が起きた方は1万人~2万人に1人ほどです。
また副作用の症状は多くが軽症との報告があり、やはりMRI検査の安全性の高さを示していると考えられます。

もちろん100%安全ということではありませんが、MRI検査の健康被害によるデメリットよりも、MRI検査で発見される病気や早期治療などで得られるメリットの方が大きいといえます。

体質や持病によっては、造影剤のご心配をお持ちの方もいると思います。
医師に相談をして造影剤を使うかの判断を仰ぐこともできますし、スマート脳ドックのように造影剤を使用しないMRI検査を行う方法もあります。

大きな病気の早期発見、早期治療を心掛けることは、皆さまの健やかな生活にもつながる大切な予防法のひとつです。
ぜひ定期的な検査を受けて健康管理をしましょう。

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監修医 知久 正明 (ちく・まさあき)

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士
病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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