2023/01/18 ( 公開日 : 2021/10/11 )

人間ドックと脳ドックの違いは? どんな人が両方合わせて受けるべきなの? 

検査
人間ドック 健康診断 脳ドック
この記事は約6分で読めます
30代後半から40代以上のミドル・シニア世代であれば、健康診断がわりに人間ドックを受けている方も多いかもしれません。最近は脳ドックを受けるという方も増えてきましたが、まだ脳ドックに詳しくない方は、人間ドックと脳ドックの違いがそもそもわからないはず。この記事の中では、健康診断、人間ドック、脳ドックの違いなどについてご説明いたします。
目次

人間ドックとは?

はじめに、よく耳にする人間ドックとはどのようなものなのでしょうか。
人間ドックとは、今とくに不調が有る無しにかかわらず、定期的に全身を検査して体の異常がないか調べるものです。
血液検査や尿検査など一般的な健康診断の検査項目のほかに、精密検査が含まれます。

健康診断との違いは?

人間ドックは、自分の今の体の状態を知って、病気がないかを発見する目的に受診します。労働安全衛生法による会社の一般健診のように法的な義務はありません。あくまで任意で受診します。

会社の一般健診や自治体の特定健診にはない、胃カメラやCT、MRIなど精密検査が加わるのが大きな特徴です。

脳ドックとは?

脳ドックとは、今の脳の状態を調べて、脳の病気がないか、早期発見を目的とした検査です。
脳卒中とも呼ばれる脳疾患。日本人の死因の上位を占める国民病として知られています。また近年、脳の病気や障害によって発症する認知症患者も急増しています。

脳疾患は突然発症しやすい病気です。定期的に発症リスクを検査すれば、事前に早期発見や早期治療ができます。

脳ドックとはなにか? 検査の内容、受診をおすすめする方、費用や注意点について解説

脳疾患は仕事やプライベートに大きな影響を与えます。脳梗塞や脳出血を発症すると、もとの生活には戻れない方も多いです。脳ドックは未病段階の状態を把握することができ、早期発見、早期治療のために有用な検査です。この記事では脳ドックの検査内容や、見つけることができる疾患、特に受診をおすすめする方について説明いたします。

人間ドックと脳ドックの異なる点

では、人間ドックと脳ドックの違いはどういった点でしょうか。
人間ドックも脳ドックも、検査した時点での体の状態を把握することに違いはありません。

検査の段階では病気の兆候は見られないため、医師が病気の疑いがあると診断して必要な検査を行う保険診療の検査と異なります。あくまで自由診療(保険診療の適用外)です。
したがって、人間ドックや脳ドックの費用はどちらも全額自己負担です。

ただし、人間ドックと脳ドックとでは、検査の目的や部位、検査項目は大きく異なります。

検査の目的

人間ドックは、全身の健康診断を中心に検査を実施します。主に生活習慣病など内科的な病気の兆候を調べるのが目的です。
日本人の三大死因であるがんや心疾患、脳疾患の可能性をはじめ、高血圧、脂質異常症、糖尿病、動脈硬化など、将来重大な病気につながる可能性の高い生活習慣病をチェックします。

人間ドックのコースによっては、がん検診や胸部CT検査も受けられます。さまざまな角度から、病気の兆候がないかチェックするのが狙いです。

一方で脳ドックは、文字通り脳そのものや脳の病気が原因で発症する病気の前兆がないかを調べるのが目的です。
一番の目的は、脳梗塞や脳出血、脳動脈瘤、脳腫瘍など脳血管疾患の早期発見です。

検査部位

人間ドックは、脳以外の全身を検査します。主に生活習慣病の精査や悪性新生物を対象にしているのがポイントです。

一方で、脳ドックは脳にスポットを当てます。脳を中心に顎部(首)などを対象に検査します。脳ドックでも血液検査を行うケースが多いですが、生活習慣病の兆候がないかを調べるものです。

検査項目

人間ドックでは、身体測定や血液検査、尿検査、胸部エックス線、腹部超音波検査などが中心です。
一方で脳ドックは、頭部や頸部のMRI・MRA検査を中心に行います。

表1 人間ドックの検査項目
主な検査項目 備考
人間ドック 身体測定 身長、体重、BMI
血圧測定
心電図
眼科検査 視力、眼圧、眼底検査
聴力検査
呼吸機能検査 肺活量、呼吸器疾患を調べる
胸部エックス線検査 肺がんや気胸など呼吸器疾患を調べる
上部消化管エックス線検査 食道・胃・十二指腸を調べる
上部消化管内視鏡検査 食道・胃・十二指腸を調べる
腹部超音波検査 肝臓・すい臓・腎臓を調べる
血液検査
尿検査
便検査
内科診察 視診・触診・聴診器
表2 脳ドックの検査項目
主な検査項目 備考
脳ドック 頭部MRI検査 脳腫瘍・脳萎縮を調べる
頭部MRA検査 脳血管の状態を調べる
頸動脈エコー検査 首の頸動脈の状態を調べる
心電図 不整脈(心房細動など)を調べる
ABI(血圧脈波)検査 動脈硬化を調べる
血液検査 生活習慣病を調べる

人間ドックに合わせて脳ドックを受ける場合

頭からつま先まで、本来の意味で「全身」を検査するには、人間ドックと脳ドックをセットで受けることが推奨されます。
では、効率よく受けるにはどのような方法があるのでしょうか。一度にまとめて受けられる場合もあれば、別々に受診する方法もあります。

ただし、もしベストな方法がわからないときは、かかりつけ医に相談してみましょう。

セットのプランを選択する

人間ドックを実施する医療機関では、人間ドックと脳ドックの検査項目をまとめて受けられるセットのプランが用意されているところがあります。

最初から、両方がセットになっているので、迷うことなく受けられるのがメリットです。

人間ドックと脳ドックを別々の医療機関で受ける

脳ドックに特化したサービスを行っている医療機関では、費用も時間も節約できることが多いです。
また多くの脳ドックを行っていればいるほど、医療機関内部での知見も溜まっている点も選択するメリットとなるでしょう。

人間ドックは人間ドックに特化した医療施設、脳ドックは脳ドックに特化した医療施設を選ぶ方も増えているようです。

こんな人は人間ドックと脳ドックの両方を受けるべき

ここまで見て来たように、人間ドックと脳ドックは両方を受けると、今の「全身」の状態と病気の前兆を見つけることができます。

とくに次の項目に当てはまる方は、人間ドックと脳ドックのセット受診を検討してみましょう。

  • 過去に脳ドックを受診したことがない
  • 40歳以上である
  • 肥満傾向である
  • 飲酒・喫煙習慣がある
  • 生活習慣病(高血圧や脂質異常症、動脈硬化など)と診断されたことがある(治療中である)
  • 家族や血縁者で脳血管障害(脳梗塞や脳出血など)の人がいる
  • 家族や血縁者で生活習慣病(高血圧や糖尿病など)の人がいる

「両方受けたいけれど、時間もないし費用が心配」という方もいるかもしれません。
一般的に人間ドックの受診は1年ごとが目安ですが、脳ドックは2〜3年ごとの受診で問題ありません。
したがって、受診の結果、とくに医師から特別な話がなければ数年ごとの定期検診を目安にしましょう。

脳ドック受けてみた! 各種メディアさま スマート脳ドック | 体験レポート

スマート脳ドックでは、一般的な健康診断では調べられることのない、脳の異常や病気を短時間でチェックできます。今回はスマート脳ドックの受診を考えている方のために、さまざまなメディアでご投稿された「体験レポート」記事をまとめてご紹介いたします。
記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。

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監修医 知久 正明 (ちく・まさあき)
メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士

病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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