脳ドックとはなにか? 検査の内容、受診をおすすめする方、費用や注意点について解説
脳疾患は仕事やプライベートに大きな影響を与えます。脳梗塞や脳出血を発症すると、もとの生活には戻れない方も多いです。脳ドックは未病段階の状態を把握することができ、早期発見、早期治療のために有用な検査です。この記事では脳ドックの検査内容や、見つけることができる疾患、特に受診をおすすめする方について説明いたします。2023/01/18 ( 公開日 : 2021/10/11 )
人間ドックと脳ドックの違いは? どんな人が両方合わせて受けるべきなの?
人間ドックとは?
はじめに、よく耳にする人間ドックとはどのようなものなのでしょうか。
人間ドックとは、今とくに不調が有る無しにかかわらず、定期的に全身を検査して体の異常がないか調べるものです。
血液検査や尿検査など一般的な健康診断の検査項目のほかに、精密検査が含まれます。
健康診断との違いは?
人間ドックは、自分の今の体の状態を知って、病気がないかを発見する目的に受診します。労働安全衛生法による会社の一般健診のように法的な義務はありません。あくまで任意で受診します。
会社の一般健診や自治体の特定健診にはない、胃カメラやCT、MRIなど精密検査が加わるのが大きな特徴です。
脳ドックとは?
脳ドックとは、今の脳の状態を調べて、脳の病気がないか、早期発見を目的とした検査です。
脳卒中とも呼ばれる脳疾患。日本人の死因の上位を占める国民病として知られています。また近年、脳の病気や障害によって発症する認知症患者も急増しています。
脳疾患は突然発症しやすい病気です。定期的に発症リスクを検査すれば、事前に早期発見や早期治療ができます。
人間ドックと脳ドックの異なる点
では、人間ドックと脳ドックの違いはどういった点でしょうか。
人間ドックも脳ドックも、検査した時点での体の状態を把握することに違いはありません。
検査の段階では病気の兆候は見られないため、医師が病気の疑いがあると診断して必要な検査を行う保険診療の検査と異なります。あくまで自由診療(保険診療の適用外)です。
したがって、人間ドックや脳ドックの費用はどちらも全額自己負担です。
ただし、人間ドックと脳ドックとでは、検査の目的や部位、検査項目は大きく異なります。
検査の目的
人間ドックは、全身の健康診断を中心に検査を実施します。主に生活習慣病など内科的な病気の兆候を調べるのが目的です。
日本人の三大死因であるがんや心疾患、脳疾患の可能性をはじめ、高血圧、脂質異常症、糖尿病、動脈硬化など、将来重大な病気につながる可能性の高い生活習慣病をチェックします。
人間ドックのコースによっては、がん検診や胸部CT検査も受けられます。さまざまな角度から、病気の兆候がないかチェックするのが狙いです。
一方で脳ドックは、文字通り脳そのものや脳の病気が原因で発症する病気の前兆がないかを調べるのが目的です。
一番の目的は、脳梗塞や脳出血、脳動脈瘤、脳腫瘍など脳血管疾患の早期発見です。
検査部位
人間ドックは、脳以外の全身を検査します。主に生活習慣病の精査や悪性新生物を対象にしているのがポイントです。
一方で、脳ドックは脳にスポットを当てます。脳を中心に顎部(首)などを対象に検査します。脳ドックでも血液検査を行うケースが多いですが、生活習慣病の兆候がないかを調べるものです。
検査項目
人間ドックでは、身体測定や血液検査、尿検査、胸部エックス線、腹部超音波検査などが中心です。
一方で脳ドックは、頭部や頸部のMRI・MRA検査を中心に行います。
主な検査項目 | 備考 | |
---|---|---|
人間ドック | 身体測定 | 身長、体重、BMI |
血圧測定 | ||
心電図 | ||
眼科検査 | 視力、眼圧、眼底検査 | |
聴力検査 | ||
呼吸機能検査 | 肺活量、呼吸器疾患を調べる | |
胸部エックス線検査 | 肺がんや気胸など呼吸器疾患を調べる | |
上部消化管エックス線検査 | 食道・胃・十二指腸を調べる | |
上部消化管内視鏡検査 | 食道・胃・十二指腸を調べる | |
腹部超音波検査 | 肝臓・すい臓・腎臓を調べる | |
血液検査 | ||
尿検査 | ||
便検査 | ||
内科診察 | 視診・触診・聴診器 |
主な検査項目 | 備考 | |
---|---|---|
脳ドック | 頭部MRI検査 | 脳腫瘍・脳萎縮を調べる |
頭部MRA検査 | 脳血管の状態を調べる | |
頸動脈エコー検査 | 首の頸動脈の状態を調べる | |
心電図 | 不整脈(心房細動など)を調べる | |
ABI(血圧脈波)検査 | 動脈硬化を調べる | |
血液検査 | 生活習慣病を調べる |
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病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。
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