子宮頸がんについて知っておくべきことまとめ
『子宮頸がんは予防できるがん』と言われていますが、実際に定期的に検診を受けている女性はどれくらいいるでしょうか?この記事では、子宮頸がんの原因や症状、子宮頸がんの予防方法、そして子宮頸がんの治療法までを詳しく解説します。さらに、子宮頸がんに関連するHPVワクチンの情報や婦人科での定期検診の重要性にも触れ、最新の情報を提供します。ぜひ、この記事を通じて、子宮頸がんに関する理解を深めてみてください。そのサイン、見逃さないで。子宮頸がんが発覚する“きっかけ”で最も多いのは?
日常の中で不正性器出血や体調の変化を見逃さず、定期的に検診を受けることが早期の発覚のためには重要です。
本稿では、子宮頸がんが発覚する主なきっかけから、症状、検診の必要性まで詳しく解説します。
子宮頸がんの基本的な知識
子宮頸がんは子宮の頸部に発生する女性特有のがんで、主な原因としてHPVウイルスへの感染が挙げられます。症状がわかりづらく自覚しにくいため、定期的な検診やワクチン接種による予防への意識が重要となります。治療法や生存率、予防方法についても知識を持つことで対応の選択肢が広がります。詳しい内容は、以下の記事をご覧ください。
ご自身や家族の健康を守るために、基本的な情報をしっかり押さえておきましょう。
子宮頸がん発覚、最も多いきっかけは「検診」
子宮頸がんが発覚する際、最も多いきっかけは定期的な検診やがん検診です。
日本対がん協会が行った検診データによると、子宮頸がん検診を行った人のうち1.0%の方が要精密検査となり、要精密検査となった方の87.5%程度が精密検査を受け、この中で少数ですが子宮頸がんが見つかる方がいます。全体でがん検診を受けた方のうち0.16%が検診によって子宮頸がんを発見できているのです。子宮頸がんと診断されなくても、子宮頸がんに至る前の病変「子宮頸部異形成」と診断される方はさらに多くいます。

会社の健康診断・自治体のがん検診
会社の健康診断や自治体によるがん検診は、子宮頸がんの早期発見に大変重要な役割を果たします。こうした検診を受けることにより、不正性器出血や症状がなかったとしても、細胞診の検査によって異常が見つかることがあります。特に定期的な検査では、本人に自覚症状がない段階でも病変を見つけられる場合があります。
「休日、あるいは平日に休みを取って健康診断を受けることは難しい」という方にとって、会社の健康診断は業務時間内に受診できるのでメリットがあると言えるでしょう。また、自治体の検診は、女性の年齢や出産経験に合わせて対象者への案内があり、誰もが気軽に受診できるよう工夫されています。
医療機関での検診では産婦人科専門医が対応し、疑わしい場合は追加で超音波検査などが実施されるため、早期発見につながります。自分の健康を守るためにも、検診を受けることが推奨されています。
妊娠初期の検査や婦人科受診のついで
妊娠初期の定期検査や婦人科の受診の際に子宮頸がんが発覚するケースもあります。妊婦健診で頸部の細胞を採取しますが、異常があれば精密検査が行われます。妊娠週数が進むと検査や治療が難しくなるため、多くの病院が妊娠初期に子宮頸がん検診を行い、異常の早期発見に努めます。
また、おりものの異常や下腹部の痛み、不正性器出血といった理由で婦人科を訪れた際に医師が異変に気付き、検査をすることもあります。こうした受診がきっかけとなり、早い段階で病気が発見されるケースが増えています。定期的な婦人科診療や妊娠の際の検査は、子宮頸がんの早期発見や治療の選択肢を広げる上でもとても重要です。少しでも不安があれば、気軽に医療機関へ相談しましょう。
身体にあらわれる子宮頸がんのサイン
子宮頸がんの発覚につながる代表的な身体のサインとして挙げられるのは、不正性器出血、おりもの異常、下腹部や腰の痛みなどです。これらのサインがあった場合には子宮頸がんの可能性があるとの意識を持ち、いざという時にはすぐに受診できるようにしましょう。
不正性器出血
不正性器出血は、子宮頸がんにおける症状としてよく挙げられます。月経以外のタイミングや、性交後、排尿時など、日常生活のなかで突然出血するケースがあります。他の疾患と区別しづらいため「体調不良だろう」と見逃されがちですが、早期発見のためには小さな異変も見逃さないことが大切です。
生理とは異なる出血が続いたり、量や頻度が普段と違ったりした場合は、婦人科や医療機関で検査を受けることが望ましいです。
おりものの異常
子宮頸がんの症状の1つに、おりものの異常があります。具体的には、おりもの色が白色や黄色なったり、おりものに血が混じったりして量も増えます。さらに症状が進むと、ピンクや暗赤色のおりもの、においの強い濃い色のおりもの、水っぽいおりもの、粘り気のあるおりものが見られるようになります。
こうした異常が続く場合、子宮頸がんの可能性があります。他の婦人科疾患との区別も難しいため、少しでも「普段とは違う」と感じた場合は受診をおすすめします。医師は症状を細かく確認し、適切な検査や治療法を案内してくれます。無理をせず早期に対応することが重要です。
下腹部や腰の痛み、性交痛
子宮頸がんが進行すると、下腹部や腰に痛みがらわれる場合があります。また、性交時に痛みを感じることもあり、これが受診のきっかけとなる方もいます。初期段階では自覚症状が乏しいこともありますが、進行するにつれ、骨盤周辺の臓器や組織に影響が及び、持続する痛みや違和感が出ることがあります。
「なんとなく調子が悪い」「性交で痛みを感じる」などの経験があれば、放置せず婦人科へ相談しましょう。医療機関での診断や検査により、原因が明らかになり、適切な治療につながる場合があります。
血尿・排尿トラブル
血尿をはじめとする排尿トラブルは、子宮頸がんが進行した場合にあらわれることがあります。腫瘍が膀胱などの周囲の臓器に広がると、排尿時に痛みや違和感があらわれ、血液が混じる場合もあります。
このような症状が続く場合、婦人科や泌尿器科の受診が必要です。子宮頸がんだけでなく、他の疾患の可能性も考えられますので、早めに医療機関で検査を受けてください。進行による合併症を防ぐためにも、定期的な検診と症状への注意が大切です。自身の体調の変化に気付いたら、無理をせず相談しましょう。

発覚後の流れと治療の選択肢
子宮頸がんが発覚した後は、早期であれば治療の選択肢が広がるため、すぐに治療が始まります。診断後はステージ(進行度)に応じて、手術療法、放射線治療、薬物療法などの方法が選択されます。早期発見・早期治療は予後の改善が期待できるとされています。医師との相談を重ね、最適な治療法を選びましょう。患者の希望や年齢、出産歴を考慮した治療法の提案もあるため、不安なことや疑問点は積極的に質問しましょう。
子宮頸がんの治療法
子宮頸がんの治療方法としては、手術療法、放射線治療、薬物療法などが選択されます。それぞれ詳しく解説していきます。
手術療法
手術療法は、子宮頸がんを手術によって取り除く治療です。極めて初期の場合は病変部分のみを切除する円錐切除術が行われることが多く、子宮を温存できる可能性があります。進行した場合は、子宮全摘出やリンパ節の摘出術など、拡大した範囲の摘出が検討され、ほかの治療法との併用や比較が必要となることもあります。
がんが進行している場合には手術で取り除けない場合もあり、その代わりに放射線療法もしくは化学療法、あるいはその両方が推奨される場合もあります。患者の年齢や妊娠希望などライフステージに応じた選択も重要な考慮事項です。
手術の内容やリスクについては詳細に解説されるのが一般的で、納得のいく形で治療に進めるようサポート体制が整っています。不安なことは何でも医療スタッフに相談しましょう。
放射線治療
放射線治療は、子宮頸がんの主要な治療選択肢の1つです。子宮頸がんはがんの中でも放射線感受性(放射線治療の効果)が良いため、放射線治療は化学療法と併用しつつ選ばれることが多いです。
放射線治療では、腫瘍細胞に高エネルギーのX線やガンマ線などを照射し、がん細胞を傷つけることで、がん細胞に作用し、増殖や転移を抑え、アポトーシス(がん細胞の死)を誘導する効果が期待されます。手術療法が困難なケースや、局所的な病変がある場合に適しています。
副作用としては、皮膚の赤みや炎症、下痢や便秘、だるさが出るほか、下腹部へ照射しているため膀胱炎や腸の炎症、卵巣の機能喪失などが起こることもあります。ただし、排尿障害や性生活への影響は手術よりも小さいといわれています。医師の説明を聞き、リスクや合併症なども考慮したうえで検討しましょう。
薬物療法
子宮頸がんの場合、薬物療法は遠隔転移したがんが進行した際や再発リスクが高い場合に選択されます。主に化学療法(抗がん剤)が用いられ、放射線治療と併用することで生存率の改善が期待される場合があります。
がん細胞の増殖や転移を抑え、アポトーシス(がん細胞の死)を誘導することが目的ですが、副作用として吐き気や脱毛、手や足の痺れといった末梢血管障害、体力の低下などが報告されています。最近では、抗がん剤に加えて、分子標的薬などの新しい治療薬も併用することができるようになっています。
治療方法や期間は個々の状況により異なるため、患者の希望や体調に相談しながら進めることが可能です。副作用を予防できる薬や新しい抗がん剤の導入によって負担が少ない療法も増えていますので、気になることは医師に確認し、サポート体制を活用して不安を解消していきましょう。

まとめ:あなたの身体を守るために、今できること
この記事では、子宮頸がんが発覚する主なきっかけや症状、検診や治療の方法について解説しました。早期発見には定期的な検診や自身の体調変化に敏感になることがとても重要です。自分自身や家族の健康を守るためにも、婦人科での検査や医療機関への相談を前向きに検討してみてください。「もしかして?」と思ったその不安が、健康を守る第一歩につながります。
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東北大学大学院医学系研究科博士課程
2019年浜松医科大学医学部医学科卒 産婦人科専門医取得後、周産期医学分野を専攻する大学院生として診療と研究に従事。 クリニックなどの一次施設から、産科専門病院や3次救急病院まで幅広い診療分野で診療を行ってきました。