脳ドックとはなにか? 検査の内容、受診をおすすめする方、費用や注意点について解説
脳疾患は仕事やプライベートに大きな影響を与えます。脳梗塞や脳出血を発症すると、もとの生活には戻れない方も多いです。脳ドックは未病段階の状態を把握することができ、早期発見、早期治療のために有用な検査です。この記事では脳ドックの検査内容や、見つけることができる疾患、特に受診をおすすめする方について説明いたします。認知症になりやすい人の特徴とは? 生活習慣や性格から見るリスク要因
高齢のご家族がいる場合、そのような不安を感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
本記事は、認知症について不安がある方のために「認知症になりやすい人の特徴」や「原因ごとの対策」などを詳しく解説します。
認知症を予防するためには、リスクとなる要因を正しく理解することが大切です。本人や、介護するご家族が安心して生活するためにも、ぜひ最後までご覧ください。
認知症になりやすい人の特徴
認知症の発症には様々な要因が影響しており、確実に予防できる方法はまだ確立されていません。しかし「認知症になりやすい人」には一定の傾向があると言われています。
例えば、心配性や孤立しがちな性格、喫煙や睡眠不足、偏った食生活などの生活習慣、糖尿病や高血圧、うつ病などの病気、遺伝などです。
認知症になりやすいリスクを知ることで、早めの対策や予防につなげられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
性格的特徴
認知症のリスクが高いとされる方には、いくつかの性格的な傾向が見られることがあります。
例えば、過度に心配性であることや、物事を悲観的に考えやすい性格です。こうした傾向が強い方は、日常的にストレスを感じやすく、それが脳に悪影響を及ぼすとされているため、注意が必要です。
ストレスを感じると、体内で「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。コルチゾールには、炎症を抑える、エネルギーを供給するなどの働きがあります。一方で、分泌が長期間続くと、記憶を司る脳の「海馬」という部位にダメージを及ぶ恐れがあります。
また、社会的に孤立しがちな性格の人も要注意です。人との交流が少ないと脳が刺激を受けにくく、認知機能の低下につながることがあります。友人との会話や趣味の活動など、日常的に他人と関わる機会を持つことが、脳の健康維持にはとても大切です。
生活習慣の問題
日々の生活習慣も、認知症の発症に大きく関わってきます。例えば、以下のような生活習慣には気を付けましょう。
生活習慣 | 認知症のリスク |
---|---|
運動不足 | 運動不足は脳の血流を滞らせ、認知機能の低下を招くリスクがある。 日常的に身体を動かすことで、脳への血流が改善され、思考力や記憶力の維持にもつながる |
不健康な食生活 | 高脂肪、高糖質の食事を続けると、脳内に「アミロイドβ」という異常なたんぱく質がたまりやすくなり、認知症の一因となると考えられている |
慢性的な睡眠不足 | 睡眠中に記憶の整理や脳内の老廃物の排出が行われており、十分な睡眠が取れないとこうした機能が低下し、認知症リスクが高まる可能性がある |
過度の飲酒や喫煙 | アルコールやタバコに含まれる成分は、神経細胞を傷つけ、脳の働きを妨げることがある |
こうした生活習慣を見直し、少しずつ改善していくことが、認知症予防への第一歩となります。
病気や遺伝的リスク
病気や遺伝的な要素も、認知症のリスク要因の1つです。
例えば、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病は脳の血管にダメージを与え、認知機能に影響を及ぼすことがあります。
また、脳出血や脳梗塞、心臓病を経験したことがある方も、将来的に認知症になるリスクが高くなると言われています。このような生活習慣病に関連した病気は適切に治療を受け、継続的に経過を見ていくことが大切です。
家族に認知症の既往がある方は「もしかしたら、自分も認知症になるかも」と、不安を感じることもあるかもしれません。確かに、一部の認知症は遺伝が関係していると言われています。しかし、ほとんどの認知症の発症には生活習慣や環境など多くの要因が影響しています。
重要なのは、健康診断をきちんと受けたり、日々の体調を気にかけたりすることで、自分の健康状態を把握しておくことです。もしも健康診断で異常が見つかったり、気になる症状があったりする場合は、すぐに専門の医師に相談するようにしましょう。
認知症のリスク別の対策
では、認知症はどのように予防すれば良いのでしょうか。
ここからは、リスクごとの対策をご紹介します。
性格の改善とメンタルヘルス
認知症になりやすい要因の1つに性格があります。神経質でストレスを感じやすい方は、認知症のリスクが高まると言われています。
そのような性格の方は、毎日の暮らしの中で、うまくストレスを発散することが大切です。例えば、散歩やストレッチのような軽い運動をしたり、音楽を聴いたり、本を読んだりする時間を作ってみましょう。深呼吸や瞑想を取り入れるのも、心を落ち着かせるためには、おすすめです。
また、心の健康を保つうえで、人とのつながりは欠かせません。家族や友人と気軽に会話する時間を持つことは、心の安定につながります。不安が続く場合には、カウンセリングやセラピーを活用するのも良いでしょう。
ストレスをためずに、心の健康を守るためには、毎日を無理なく過ごしながら、できるだけ前向きに考える習慣を持つことが大切です。
生活習慣の見直し
毎日の生活習慣の見直しは、認知症予防に効果的です。
脳の健康を守るためには、バランスの取れた食事が大切です。抗酸化作用のある野菜や果物は脳の老化を防ぎ、認知症のリスクを低下させる効果が期待できるとされています。サラダに旬の野菜を加えたり、間食をフルーツに変えたりするなど、工夫しながら積極的に摂取しましょう。
運動も認知症予防のためには重要です。有酸素運動や軽い筋力トレーニングは、血流を良くして脳に酸素や栄養を届ける効果があります。「通勤時に自転車に乗る」「空いた時間に少しだけ散歩してみる」など、無理のない範囲で定期的に運動しましょう。
質の良い睡眠も忘れてはいけません。睡眠不足が続くと、記憶力や判断力に影響が出ることがあります。毎日同じ時間に寝起きすることを心がけ、寝る前のスマホやカフェインの摂取は控えましょう。
病気の管理と定期健診の重要性
認知症を予防する上で、病気の管理や定期健診はとても大切です。
例えば、糖尿病や高血圧などの生活習慣病は、認知症のリスクを高めると言われています。このような生活習慣病を予防するために、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。病気を早期に発見することで、適切な治療につながり、将来的な病気のリスクを下げることができます。
また、気になる症状がある場合は、自己判断せずに専門の医療機関を受診することが大切です。症状がない場合でも「予防的に調べておきたい」「将来的な病気のリスクを調べておきたい」という方は、脳ドックを利用するのも良いでしょう。
脳ドックを受けるメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。

「自分はまだ大丈夫」と思わずに、日頃から身体の状態に気を配ることが、将来の認知症予防につながります。

認知症予防に向けた生活習慣
認知症の予防には、正しい生活習慣の積み重ねが大切です。
ここからは、今日からでも始められる生活習慣として「社会参加」「運動」「早期発見の視点」をご紹介します。
社会参加と脳の刺激
友人や家族との会話、地域のクラブ活動やボランティアなど、社会との関わりを持つことは、認知機能にも良い影響を与えます。
囲碁、読書、手芸などの趣味を楽しむ時間を持つことも重要です。日ごろから考えたり、学んだりする機会が多い方は、そうでない方と比較して認知症のリスクが低くなると言われています。
誰かと一緒に取り組むことで、交流も生まれ、孤立感の解消にもつながります。無理のない範囲で、楽しみながら人との関わりを持ちましょう。
定期的な運動と健康管理
定期的な運動は、脳の健康維持にとって重要です。例えば、有酸素運動や筋力トレーニングは脳への血流を促進し、神経の働きを活性化させる効果があるとされています。
生活に取り入れるなら、ウォーキングやサイクリングなど、無理なく続けられる運動がおすすめです。ウォーキングなら1回30分前後、週3日以上を半年継続するのが目安です。運動を継続することは、脳だけでなく身体的な健康にも役立つでしょう。
身体を動かすことでストレスが和らぎ、気分転換にもなります。無理のない範囲で、少しずつでも身体を動かす習慣を身につけましょう。
早期発見のためのチェックポイント
認知症の進行を遅らせるためには、症状を早期に発見し、適切に対応することが重要です。
違和感に気づくためにはいくつかのポイントがあります。例えば、「最近のことを忘れやすくなった」「時間や場所がわからなくなった」などの様子が見られる場合、認知症の症状かもしれません。
以下は、国立長寿医療研究センターが紹介している認知症チェックリストです。3つ以上当てはまる場合は専門の医療機関の受診を検討しましょう。
1. 同じことを言ったり、聞いたりする
2. 物の名前が出てこなくなった
3. 置き忘れやしまい忘れが目立ってきた
4. 以前はあった興味や関心が失われてきた
5. だらしなくなった
6. 日課をしなくなった
7. 時間や場所の感覚が不確かになった
8. 慣れた所で道に迷った
9. 財布などを盗まれたと言う
10. ささいなことで怒りっぽくなった
11. 蛇口・ガス栓の締め忘れ、火の用心ができなくなった
12. 複雑なテレビドラマが理解できない
13. 夜中に急に起き出して騒いだ
また、「症状がないけど不安」「将来的なリスクにも備えたい」という方は、脳ドックを利用しても良いでしょう。スマート脳ドックは、スマートフォンで受付可能で、検査から帰宅まで最短30分で終了します。
詳細は以下の記事で解説していますので、気になる方はそちらもご覧ください。

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本記事では、「認知症になりやすい人の特徴」「認知症予防のための生活習慣」などについて解説しました。
認知症の発症には、性格や生活習慣、病気、遺伝などが関連しています。予防のためには日常生活の見直しや、定期的な健康診断などが重要です。
不安がある場合は、医療機関を受診して専門の医師に相談したり、人間ドックを利用したりすることで、自分にどのような健康リスクがあるかを確認してみましょう。認知症予防には確立された方法はありません。しかし、少しでもリスクを下げるには日々の生活を見直して、積極的に取り組むことが大切です。これからも健康に関する正しい知識を身につけて、自分や家族の健康を守りましょう。
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・日本医師会 認定産業医
・日本内科学会 認定内科医
・日本神経学会 神経内科専門医・指導医
2003年奈良県立医科大学卒
名古屋大学大学院で博士号取得
これまでトヨタ記念病院、名古屋大学病院などで臨床、教育、研究に従事。2年半のトロント小児病院でのポスドク後、現在は臨床医として内科診療に携わる一方で複数の企業で産業医として働き盛り世代の病気の予防に力を入れている。また2022年に独立し、創薬支援のための難病患者データベースの構築や若手医療従事者の教育を支援する活動を行っている。