2022/04/20 ( 公開日 : 2021/12/09 )
肺がんの骨転移とは? 腰痛、麻痺、骨折なども症状として現れるのが特徴
肺がんの骨転移とは?
肺がんの骨転移とは、がん細胞が肺から運ばれて骨に転移した状態のことです。
肺がんを起こした患者のうち30~40%に骨転移が起こるとされています。
骨転移が起こったがん患者の5年生存率は、およそ7%程度と低い数字を示しており、根治が難しい病気だということが分かります。
肺がんの骨転移が起こりやすい部位
骨転移の起こりやすい部位は、肋骨、胸椎、腰椎などになります。
まれに肘から下や膝から下など、体の末端にがん細胞が転移することもあります。
骨にがん細胞が転移すると、骨を溶かしたり、正常ではない骨を作ったり、もしくはその両方を起こすこともあります。
それと同時に、がん自身が棲みつく場所を確保しながら栄養を得て増殖していきます。
骨転移の主な症状
上記で解説した骨の異常が起こることによって、さまざまな症状が現れてきます。
骨は体の骨格を作っているものであるため、異常をきたせば生活にも大きな影響を与えます。
ここからは、骨転移による主な症状を解説していきます。
腰痛
腰椎(ようつい:腰の骨)に骨転移が起こることで、腰痛が起こります。
骨自体には痛みを感じる神経は通っておらず、骨を包む膜に神経が通っています。
がん細胞が骨の外に進展し、骨を包む膜を圧迫することで痛みを感じるのです。
神経障害
骨転移による神経障害は、主に脊椎(頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙骨)のいずれかに転移することで発生します。
脊椎の中には神経が通る脊髄という場所があり、がん細胞が増殖することで神経を圧迫または損傷させ、上肢や下肢の麻痺が起こります。
骨折
がん細胞によって骨が破壊され、脆くなることで、体重や筋収縮に耐えきれなくなり、骨折に至ります。これを「病的骨折」と言います。
がん細胞は骨の中から破壊していくため、患者が気づかないうちに骨が弱くなり、脊椎や大腿骨を骨折していることもあります。
高カルシウム血症
高カルシウム血症は、がん細胞によって骨が溶けることで、骨に含まれていたカルシウムが血中に溶け出して血中カルシウムが上昇することです。
高カルシウム血症は、高確率で腎機能障害を引き起こします。それにより脱水、口渇、多尿が起こります。
他にも筋力低下や悪心、嘔吐なども引き起こします。
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