医師監修 | おりものが黄色いのは病気? 原因や受診の目安を解説
おりものの色や状態の変化に気づいたとき、不安を感じる女性は少なくありません。特に黄色いおりものが見られる場合、何か病気が隠れているのではないかと心配になることもあるでしょう。このような不安を解消し、適切な対処方法を知るためには、正しい情報を得ることが大切です。この記事では、黄色いおりものの原因やおりものと病気との関係、病院を受診するタイミングなどを詳しく解説します。自分の状態を知って、適切な対応を取るための参考にしてください。
おりものは子宮や膣を清潔に保つための分泌物であり、感染症を防ぐ役割があります。さらに、排卵サイクルを通じて、受精に適した環境を作る助けもしています。そのため、女性の身体の健康状態を把握できるバロメーターの1つと言えます。
おりものの正常な色は無色透明から白色、薄いクリーム色です。色はホルモンの影響やライフスタイル、健康状態によって変化します。しかし、茶色いおりものは、おりものに古い血液が混じっているサインであり、注意が必要です。ただし茶色いおりものは必ずしも病気を示すわけではないため、焦る必要はありません。生理前後や排卵期にはよく見られる現象なので冷静に対処し、おりものの色や量が通常と著しく異なる場合には、医師に相談することをお勧めします。
黄色いおりものについては、こちらの記事もご覧ください。
医師監修 | おりものが黄色いのは病気? 原因や受診の目安を解説
おりものの色や状態の変化に気づいたとき、不安を感じる女性は少なくありません。特に黄色いおりものが見られる場合、何か病気が隠れているのではないかと心配になることもあるでしょう。このような不安を解消し、適切な対処方法を知るためには、正しい情報を得ることが大切です。茶色のおりものは古い出血のサインだと先述しましたが、これにはいくつかの原因があります。この項目では茶色のおりものの原因として、生理周期によるものや妊娠兆候、婦人科系の病気、性感染症、ホルモンバランスの乱れを挙げて解説します。
生理前後に見られる茶色いおりものは、少量の出血や過去の出血によるものであり、異常でない場合もあります。特に生理の終わり頃には、少量の血液が残っている場合があり、その血液が酸化して茶色のおりものとして排出されます。
通常、生理周期に伴う茶色のおりものは、特に心配する必要はありません。しかし、何か異常を感じる場合や、他の症状が伴う場合には医療機関を受診しましょう。
妊娠初期は着床出血により茶色いおりものがみられる場合があります。これは、受精卵が子宮内膜に着床する過程での微量の出血があり、その際に茶色いおりものが見られることがあります。
着床出血は数日間続くこともありますが、通常は少量の出血で終わります。妊娠を希望する方で茶色いおりものが見られた場合には、他の妊娠の兆候と合わせてよく観察することが大切です。心配な場合や他の症状が現れる場合は、医療機関を受診しましょう。
子宮筋腫や子宮内膜症、子宮頸がんなどの婦人科疾患の場合にも、茶色いおりものが見られる可能性があります。これらの疾患に関連する他の症状は、月経時の強い痛みや不正出血、性交時の痛みなどです。
上記の症状が見られる場合は早めに婦人科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。特に婦人科系の病気は早期発見が重要であり、放置すると症状の悪化につながります。まずは健康管理の一環として、定期的な婦人科検診を受ける習慣を身につけましょう。
婦人系の病気については、こちらの記事もご覧ください。
子宮体がんの初期症状とは? 出血量などの特徴と受診の目安を解説
子宮体がんは、さまざまな年代の女性に発症する可能性のある病気です。初期症状として現れることの多い不正出血は、病気の早期発見につながるサインですが、多くの女性は出血量の異常や子宮体がんの特徴を知らずに過ごしています。そのため、まずは子宮体がんの知識や症状を知ることが大切です。クラミジアや淋病、トリコモナス症などの性感染症が原因でおりものが茶色くなることがあります。これらの性感染症は、おりものが茶色になるだけでなく、下腹部に痛みやかゆみが出たり、おりものに悪臭が伴ったりするので注意が必要です。
症状が続く場合は、早めに診察を受け、適切な検査と治療を受けることが大切です。性感染症は放置すると他の合併症を引き起こすことがあるため、注意しましょう。
日常生活のストレスや不規則な生活習慣によりホルモンバランスが乱れ、その影響で茶色いおりものや少量の出血が発生することもあります。このような場合、生活習慣の改善やストレスの管理が重要です。まずは、十分な睡眠をとり、バランスの良い食事を心がけて、ホルモンバランスを整えましょう。これらの対策で改善する場合もありますが、症状が続く場合や他の異常を感じた場合は、医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。
不正出血については、こちらの記事もご覧ください。
不正出血とは? 原因や受診の目安、治療方法まで解説
予期しない出血があると不安になるものです。特に生理周期以外での出血や、妊娠中、更年期に見られる異常な出血は心配になります。不正出血の原因はホルモンの乱れやストレス、深刻な病気など多岐にわたります。そのため、正確な知識を持って早めに対処できるようにしておくと安心です。茶色のおりものがしばらく続く場合は、何かしらの異常が起きている可能性があります。数日経っても茶色いおりものが続く場合は医師の診察を受けましょう。
茶色いおりものに加え、腹痛や不正出血、異臭などの症状が伴う場合は、感染症や子宮外妊娠、婦人科系疾患の可能性があるため、すぐに医師に相談しましょう。特に、痛みや大量の出血がある場合は、放置せずできるだけ早く医療機関を受診してください。
定期的な健康診断や、異変を感じた場合の早めの受診を心がけることで、早期発見、早期治療につながります。
婦人科系疾患は早期発見により治療の選択肢が増え、合併症のリスクも減少します。例えば、子宮頸がんや子宮筋腫などの疾患は、早期に治療を開始すると手術や薬物療法の効果が高くなります。
デリケートゾーンの清潔を保つ衛生管理とホルモンバランスを整える生活習慣が、日常からできるおりもののケアです。以下で詳しく解説します。
デリケートゾーンは正しい方法で清潔を保つことが大切です。まず、適切な洗浄方法としては、強い洗浄力のある石鹸は避け、デリケートゾーン専用の刺激の少ない洗浄剤を使用しましょう。洗う際には膣の外側を優しく洗浄し、内側を強く洗いすぎないようにします。頻繁に洗いすぎると必要な常在菌が失われ、感染症を引き起こしやすくなります。洗浄後は清潔なタオルで押さえるようにやさしく水分を拭き取ってください。
加えて、生理用ナプキンやおりものシートなどの衛生用品は、通気性の良いものを選び、長時間の使用は避けて、正しく使いましょう、また、汗をかきやすいデリケートゾーンは湿気や熱がこもりやすいため、綿素材の下着をおすすめします。これらを心がけることで、蒸れによるおりものの異常や感染症のリスクを減らすことができます。
ストレスを管理し、栄養バランスの整った食事と十分な睡眠をとるなど生活習慣を整えることで、ホルモンバランスの乱れを改善し、異常なおりものを予防することができます。
人は日常的にストレスを感じ続けるとホルモンバランスが乱れやすくなります。リラックスできる時間を作り、軽いウォーキングやヨガ、深呼吸などを取り入れてストレス軽減につとめましょう。また、ホルモンバランスを保つためには、バランスの取れた食事が欠かせません。特に、ビタミンB群やビタミンE、亜鉛などの栄養素はホルモンの生成に重要です。ナッツ類や緑黄色野菜、魚、卵はこれらの栄養素が豊富です。偏った食事は避け、栄養バランスの整った食事を心がけましょう。
最後に、質の良い睡眠は、ホルモンバランスの調整に大きな役割を果たします。毎日規則正しい生活を送り、十分な睡眠時間を確保しましょう。寝室の環境を整え、寝る前にはスマートフォンやパソコンなどの電子機器の使用を控えることで、良質な睡眠につながります。
生活習慣に関連して、体調を整えるためには自律神経も重要です。詳細については、こちらの記事もご覧ください。
自律神経はどう整える? 副交感神経を優位にする9つの生活習慣
自律神経の乱れは、睡眠不足や集中力、やる気の低下などの心身の不調をきたす原因となる場合があります。 自律神経のはたらきは、年齢とともに低下すると言われており、意識的に自律神経を整えることは重要です。 この記事では、自律神経の主な役割や仕組み、自律神経を整えるためのポイントなどを解説します。茶色いおりものは多くの女性が経験するもので、必ずしも異常を示すわけではありません。生理前後であることや、排卵期、妊娠初期であることなどが原因の場合があります。しかし、婦人科系の疾患や感染症が潜んでいる可能性もあるため、自己判断せず、異常を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。
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