2023/12/20 ( 公開日 : 2022/11/29 )

健康を気にする40代の方に伝えたいこと! 10年で倍増する疾患とは?

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この記事は約4分で読めます
3大疾病や認知症などを予防するなら、40代からのこつこつとした生活習慣改善が非常に重要となります。この記事の中では40代の方の肥満率や、脳・心疾患件数を知り、日頃の生活の仕方や、自分の人生を通じて健康な時間を増やす意義について改めて考えてみましょう。
目次

40代の方にぜひ伝えたい3つのポイント

健康診断の結果に慣れてしまっていませんか?

40代になると、次第に健康診断でも引っかかる数値が出てくるかと思いますが、このような少し悪い結果に慣れてしまっていないでしょうか。
「周囲のひともB判定やC判定だから、自分も引っかかる数値が出ていてもしょうがない」といって、健康診断慣れをしている方も40代では少なくありません。

10代・20代のときには、体を動かす習慣があまりなくても、筋肉量が多いため代謝も悪くありません。それゆえ多少不摂生な生活をしていても、健康診断で特別悪い数値は出ませんでした。

しかし30代に入ると筋肉量は年に1%ずつ減っていき、基礎代謝も次第に悪くなっていきます。
中年になるとお腹まわりに脂肪がついて、全体的に丸いような印象になってしまう方が多いのもそのためです。

食事・睡眠・運動の生活習慣は、あいかわらず20代のままという方が多いです。
体の中身はゆるやかに変化していっているので、毎年少しずつ生活習慣を微修正するという方は少数派です。

40代の肥満率

40代の肥満率に関しては、女性よりも男性の方がより特徴がみられます。

女性の場合には20代から30代になるときに多くの方が肥満になりますが、男性の場合は40代になると30代のときより10%も多くの方が肥満になります(*1)。

この肥満の原因のひとつとなっているのが、飲酒量の増大です。
男性では生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している方の割合が、30代では13.0%ですが、40代では21.0%に増えます。

飲酒に関しては世代間で考え方が異なり、これから10年後に同じような比率になるかは定かではありませんが、データとしては40代では飲酒をする方が増える傾向があります。

40代の隠れ肥満率は?

体格指数と呼ばれるBMIが、もし「標準」(18.5以上25未満は「標準」に分類される)であっても、筋肉や骨にくらべて内臓脂肪が多い状態を「隠れ肥満」といいます。

メディカルチェックスタジオで2022年度にCT体脂肪検査を受けた40代の方の、12%が隠れ肥満に該当します。
隠れ肥満は一見すると痩せて見えるため、体脂肪検査を受けないと自分も周囲もわからないです。
病気リスクの増大につながるため、注意が必要となります。

40代の脳疾患件数

2017年度の厚生労働省の統計によれば、国内での脳血管疾患(脳梗塞やくも膜下出血など)の件数は、男性で1万6千人程度。女性では1万4千人程度になっています(*2)。

出典:「脳血管疾患患者数の状況」(厚生労働省)

40代だけでも年間に3万人以上の発症があることに驚かれるかもしれませんが、50代ではさらに倍増して6万8千人以上になります。
さらに60代では17~18万人近くが脳疾患になっていると予測されており、これらは長年の生活習慣の乱れが大きく関与しているといわれています。

40代の心疾患件数

2017年度の厚生労働省の統計によれば、国内での虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症など)の件数は、男性で1万7千人程度。女性では3千人程度になっています(*3)。

出典:「虚血性心疾患患者数の状況」(厚生労働省)

50代では男性は4万3千人程度、女性では1万1千人程度と、こちらは年代が進むと脳疾患よりもさらに早いスピードで患者数が増えていきます

女性は男性よりも長生きをするため、最終的には心疾患で死亡する件数は女性の方が男性よりも多くなるともいわれています。
40代の頃に発症する方が比較的少ないからといって、女性も安心することはできません。

40代でも注意したい脳萎縮

将来認知症になるリスク要因のひとつとして、脳萎縮の存在が明らかになってきています。
ひとの脳は加齢とともにいくらかは萎縮していきますが、これが年齢平均より明らかに進行している場合には、認知症になる可能性が高まるといわれています。

この脳萎縮度が高い方は、肥満傾向にあったり、若い頃から高血圧や高血糖だったりと、上記でも述べてきた肥満や脳・心疾患とも関わりが深いです。

認知症は生活習慣病との関わりが深く、60代・70代になってから気にし始めるのではなく、30代・40代から考えるべきである、と脳科学研究者のあいだではいわれ始めています。

健康寿命を伸ばすには40代からの対策が鍵

30代・40代から健康的な生活をこころがけ、自分の体にダメージを蓄積しないように暮らしていけば、60代以降では周囲と大きな差が出ています。

心疾患、脳疾患、認知症、がんなどのリスクを遠ざけて健康寿命を長く保つためにも、検診などを上手に使ってご自身のモチベーションを高めてみてはいかがでしょうか。

脳ドック、CT肺・心血管ドックでまとめて検査

健康診断や人間ドックとともに、脳ドックやCT肺・心血管ドックを定期的に受ける方が年々増えています。
脳疾患、心疾患、脳萎縮の度合い、がんの早期発見など、自分の体に起こるリスクに気づくには定期的な検査をおすすめいたします。

記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。

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監修医 知久 正明 (ちく・まさあき)
メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士

病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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