2025/04/24 ( 公開日 : 2025/04/21 )

がん検診の選択肢:レントゲン検査で本当に十分?

検査
がん 検診
この記事は約6分で読めます
レントゲン検査はがんの早期発見のための一般的な方法の一つです。 レントゲン検査は放射線を使用して体内の異常を映し出す方法で、肺がんや骨の異常を発見するのに役立ちます。しかし、すべてのがんがレントゲン検査で発見できるわけではありません。この記事では、レントゲン検査の特長と限界について詳しく解説します。がん検診の選択肢を理解し、最適な方法を選ぶための参考にしてください。
目次

がん検診とは


がん検診は、身体にがんがあるのかを調べる検査です。
がん検診の検査も多岐にわたり、レントゲン検査や内視鏡検査、血液検査、さらにはCTやMRIなどの画像診断が含まれます。
定期的ながん検診を受けることで、リスクの高い人ががんを早期発見できる可能性が高まります。
特に喫煙者や家族にがんの病歴がある人、または特定の年齢に達した人には、がん検診を受けることが強く勧められています。

レントゲン検査の目的:がん早期発見のメリット


レントゲン検査は、X線を使って体内の画像を撮影し、異常や病変を見つけられる検査です。特に、骨の転移性腫瘍や変形の評価に有効で、がんの発見や経過観察にも使われます。早期にがんを発見できると、治療の選択肢が増え、成功率が上がります。さらに、治療費や期間も短縮され、患者の負担が軽くなります。

ただし、レントゲン検査ですべてのがんを確実に見つけられないため、場合によっては他の検査と併用が必要です。

レントゲン検査の流れ

検査前

検査によっては、衣服を脱ぐ必要があります。撮影部位にボタンやアクセサリー、小銭、エレキバン、湿布などがあると、正しい診断につながらないことがあるため取り外してください。
また、妊娠中もしくは可能性のある方は事前に医師にお知らせください。

検査中

撮影部位の数により所要時間は異なりますが、着替えを含めて検査は数分で終了します。

  • ①X線管側に背中を向けて立ち、パネルに胸をつける
  • ②肩甲骨が肺になるべく重ならないよう少し前かがみの姿勢で立つ(機種によって腕の位置が異なる)
  • ③息を吸った状態で呼吸を止め、撮影する

検査後

基本的に、結果は当日の診察で伝えられます。食事や入浴に関しては特に制限はありません。
不安を感じる方も多いかもしれませんが、事前に流れを知っておけば、安心して検査を受けられるでしょう。

レントゲン検査プロセス

主ながんの種類とレントゲンの関係


主ながんの種類とレントゲンの関係

レントゲンで発見しやすいがん

肺がんおよび骨のがんは、レントゲン検査で発見されやすいがんです。肺がんは進行に伴い、胸部レントゲン検査で発見されやすくなりますが、早期の肺がんはサイズが小さく、レントゲンでは認識しにくいため、発見が難しいことがあります。一方、骨のがんは骨の変形や病変としてレントゲンに映りやすいため、一次的な検査として役立ちます。しかし、確定診断を行うためには、CTやMRIなどの追加検査が必要です。

レントゲンで発見が難しいがん

一方、レントゲンでの発見が難しいがんもあります。胃がんは、レントゲン単独では発見が難しく、より精度の高い、内視鏡検査の方が推奨されています。また、膵臓がんは、レントゲンではほとんど検出できません。膵臓は腹部の奥深くに位置しており、X線では他の臓器に重なって映り、病変を明瞭に描出できないため、CTやMRI検査が必要です。また、がんの種類や位置によっては、レントゲンでの発見が難しいことがあり、初期段階では特に見逃されるリスクが高まります。

レントゲン検査の限界とほかの検査


レントゲン検査は、肺がんや骨のがんは見つけやすいですが、検出には限界があります。例えば、胃がんや卵巣がんの早期発見にはレントゲンだけでは十分ではなく、内視鏡検査、超音波検査、またはCT検査が推奨されます。

また、初期段階では、病変を見逃す可能性があるため、肺がんの診断には、レントゲンと低線量CTの組み合わせが推奨されます。
胃がんの診断には内視鏡検査が標準的な方法として広く使用されており、乳がんの検診にはマンモグラフィーが推奨されています。しかし、若年層では乳腺密度が高いため、超音波検査が有効です。

各検査の特徴

レントゲン検査の放射線量と安全性


「放射線被ばく」について不安を感じる方も多いかもしれませんが、実際にはレントゲン検査で使われる放射線量は非常に少ないです。

例えば、胸部レントゲン検査で使われる放射線量は約0.1ミリシーベルト(mSv)で、これは私たちが自然環境から1年間に受ける放射線量の約24分の1にあたります。日常生活で受ける放射線量と比較しても非常に低いレベルで、健康への影響はほとんどないといえます。

胸部レントゲン検査の放射線量と自然環境から1年間に受ける放射線量の比較

さらに、医療機関では放射線被ばくを最小限に抑えるため、検査時に防護エプロンを使用するなど、安全性には細心の注意が払われています。これにより、患者さんが受ける放射線量は常に安全範囲に収められています。

妊娠中のレントゲン検査のリスク

妊娠中の女性がレントゲン検査を受ける際は、特別な注意が必要です。妊娠中は胎児が放射線に敏感なため、できるだけ影響を避けることが大切です。

場合によっては、検査を延期したり、他の検査方法に切り替えたりすることもあります。特に、腹部や骨盤部分のレントゲン検査は避けるべきです。その代わりに、超音波検査などが推奨されることがあります。

どうしても検査が必要な場合も防護服の着用により放射線量は最小限に抑えられます。検査を受けるかどうかは、医師と相談しましょう。

レントゲン検査を受ける前に注意することは?


レントゲン検査を受ける前に、いくつかの大切なポイントを押さえておきましょう。まず、前述した通り妊娠中は放射線が胎児に与える影響を避けるため、検査の必要性について医師とよく相談することが大切です。

次に、可能な限り過去に受けたレントゲン検査や他の画像診断の結果を持参しましょう。過去のデータを確認することで、医師はより正確な診断を行えます。特にがん検診では、同じ部位の画像を比較することで、微細な変化を見逃さず、早期発見の可能性を高められます。

最後に、検査前の食事についても確認しておくことが大切です。検査によっては、食事を控える必要がある場合もあります。事前に医師からの指示をしっかり受け、準備を整えておくことが、正確な診断結果を得るための大切なステップです。

がん検診が推奨される人の特徴と検診費用の目安


がんのリスクは遺伝的な要因や生活習慣に大きく影響されるため、遺伝的要因でがんになるリスクが高い人はがん検診が推奨されます。また、喫煙や過度の飲酒、不健康な食生活もがんのリスクを高める要因となり、がん検診が必要です。加えて、年齢が進むにつれてがんの発生率も高くなるため、特に50歳以上の方には定期的ながん検診が推奨されています。

がん検診は、自治体が提供する無料検診や職場で実施される健康診断の一環として受けられることが多いです。たとえば、肺がんを検査するための胸部X線検査や、胃がんを調べる胃カメラ検査、乳がんや子宮頸がんの検診は、定期的な健康診断に含まれていることがあります。自治体の補助がある場合は無料または数千円程度で受けられます。しかし、自由診療や追加の詳細検査を希望する場合、人間ドックはより広範囲で詳細な検査を受けられるものの、数千円から数十万円の費用がかかることもあります。

がん検診の方法にはさまざまな種類があり、必要に応じて全身を網羅的に調べる「全身がん検査」や、発見が難しい「すい臓がん」、男性特有の「前立腺がん」などの部位別検査を選ぶこともできます。スマートドックでは、それぞれのニーズに合わせた専門検査を提供しており、手軽に予約することができます。忙しい方にもおすすめです。

がん予防のためにできること:生活習慣と定期検診


日々の生活習慣を見直すことが、がん予防の第一歩です。健康的なライフスタイルを送ることは、がんのリスクを減らすための最も効果的な方法の一つです。特に、バランスの取れた食事や適度な運動、禁煙、そして適切な飲酒は、全身の健康を保つために欠かせない要素であり、がん予防にも直結しています。

野菜や果物、全粒粉穀物を食事に取り入れ、週に数回の有酸素運動を取り入れましょう。

健康的な生活習慣を維持し、定期的にがん検診を受けることが、がん予防と健康の維持においてとても大切です。

まとめ:レントゲンだけでは不十分なケースもある


レントゲン検査は、がんの診断に役立つ検査の一つで、特に、肺がんや骨の病変などにおいては、レントゲンが初期診断の参考となることがあります。しかしながら、全てのがんをレントゲン検査だけで発見することは困難です。

レントゲン検査のメリットとデメリットを理解し、最良の診断と治療を受けるための情報収集を怠らないようにしましょう。これからも健康に関する正しい知識を身につけて、自分や家族の健康を守りましょう。

記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。

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