2022/10/03 ( 公開日 : 2021/09/22 )

CTとMRIの違いとは? それぞれの特徴と発見できる疾患についても解説

検査
CT MRI
この記事は約6分で読めます
画像検査には多くの方になじみが深いレントゲン検査があります。レントゲンの他にも体内の状態をみることができる画像検査では、超音波検査、CT、MRI、核医学検査などがあり、それぞれ特性が異なります。この記事の中ではCT検査とMRI検査に焦点をあてて、それぞれの特徴をみていきます。
目次

CTとMRIは何が違うの?

CT検査とMRI検査は、どちらも体の内部を画像として確認する検査です。

異なる部分は、大きく「検査方法」「発見できる疾患の種類」「得られる情報量」に分けられます。
これら3つの違いを知ることから、CT検査とMRI検査の相違点を見ていきましょう。

検査方法

CT検査は撮影の仕組みとして放射線を使用します。
それに対して、MRI検査は磁力と電波を使用して撮影を行います。

体の断面を撮影した複数枚の写真をコンピュータで処理して、希望の部位の画像を出力したものがCT検査です。
体の細胞に含まれる水素原子を、磁力と電波によって影響を与えて画像化したものがMRI検査です。

発見できる疾患の種類

CT検査 MRI検査
発見できる疾患 脳出血
くも膜下出血
脳梗塞
脳腫瘍 など
脳梗塞(ラクナ梗塞)
脳動脈瘤
脳動脈奇形などの異常

得られる情報量

CT検査は0.5mm以下の小さな病変を見つけたり、広範囲の確認をすることが得意です。
MRI検査では色の濃淡(コントラスト)がCT検査よりもわかりやすいため、病変がより明確に見られることがあります。

また、CT検査では血管の状態などを確認するために、「造影剤」という薬剤を使用することがあります。
それに対してMRI検査では、血管の状態の確認でも、通常のMRI検査と同じ方法で検査ができます。

どちらの検査にもいい部分があるので、より得意な撮影部位や病気の種類によって使い分けや併用がされます。

表 CT検査とMRI検査の比較
CT検査 MRI検査
仕組み X線 磁力と電波
体への負担 0とは言えない ほとんどない
検査時間 比較的短時間(5~15分) 時間がかかる(15~60分)
検査可能な施設 多い 多いとはいえない
細かい描写 非常に得意 得意
色の濃淡 普通 非常に鮮明
出血の状態 得意 非常に得意
血管の状態 造影剤が必要 得意
空気と骨の区別 できる できない

CT検査の特徴

健康診断でレントゲン検査を受けたことのある方は多いかと思います。
CT検査はX線を体に当てて、体で吸収される量の違いを出力。

場所や組織によってX線の吸収される量が違うため、その違いを白黒の濃淡として表示する画像となります。

胸の正面から撮影する胸部レントゲン検査は1枚の画像ですが、CT検査では機器が回転しながら沢山の写真を撮影します。
この写真をコンピュータで処理することにより、希望の部位をより鮮明に出力できます。
コンピュータで処理をして画像化するため CT(=computed tomography)と呼ばれます。

検査時間が短い

CT検査は写真撮影と同じ仕組みなので、磁力と電場を使うMRI検査より短時間で検査が行えます。
一般に5分から15分ほどで、何百枚も写真を連続撮影します。
撮った画像はコンピュータを使うことで、角度を変えてみることが可能。

X線を使う

CT検査では撮影にX線を使用します。
安全性を高める技術開発が進み、現在では放射線被ばくによる影響は非常に小さくなってきましたが、被ばくによるリスクは0とはいえません。

しかしながら、検査によってがんを早期に発見でき、治療を行えるメリットの方がはるかに大きいとされています。

造影剤を使用することがある

CT検査の特徴として、MRI検査に比べて色の濃淡(コントラスト)が若干弱く、血管の状態を確認することがあまり得意とはいえません。
そのため検査の目的や対象によっては、造影剤という薬を血管から入れて撮影することがあります。

「造影CT検査」と呼ばれる検査で、血管や臓器をより見えやすくします。
しかし、薬に対して過敏な方や、アレルギーのある方は使用ができません。

薬や医療機器に対して不安のある方は、医師に相談をして自分に適した検査を受けられるようにしましょう。

MRIの特徴

人間の体はたくさんの細胞や水分から構成されています。
さらに細かく見ると、無数の水素原子が存在しています。
その水素原子は自由に動き回っていますが、そこに強力な磁力をかけると規則正しく並ぶ性質があります。
この性質を使って撮像を行うのが、MRI検査であると理解しておきましょう。

検査時間が長い

MRI検査は15~60分ほどかかります。
検査中は狭いところで静止しているため、閉所が苦手な方にとっては大変な検査と言えるかもしれません。
また磁力を使う仕組み上、検査中には大きな音が出つづけます。

磁力を用いる

MRI検査は磁力と電波を用いた検査なので、被ばくの影響はありません
またMRI検査の磁力や電波で悪影響が体に出る可能性は、限りなく低いといわれています。
今後の調査で影響が確認される可能性はゼロではありませんが、現在は非常に安全性の高い検査と考えられています。

色の濃淡(コントラスト)が鮮明

MRI検査は、画像の濃淡が非常に鮮明に写し出されます。
また造影剤を使用しなくても細かい血管の状態を確認することが可能です。

さまざまな部位や角度から確認ができることはCT検査と同じですが、濃淡がくっきりしているため、CT検査ではわかりにくかった小さな腫瘍を発見できる可能性もあります。

CTとMRIは医師の判断で使い分けることが一般的

CT検査もMRI検査もすぐれた点があり、検査の目的や部位によって使い分けや併用が行われます。
検査に不安があるときには、医師にしっかりと確認した後で受けましょう。

よくある質問

Q 三叉神経の状態を調べるには、MRIとCTどちらがいいですか?
A 神経の状態を知るには、得られる情報が多いためMRIの方が有用です。
Q 腫瘍が良性か悪性か判断するには、MRIとCTどちらがいいですか?
A MRIですべてが判定できるわけではありませんが、腫瘍が良性か悪性か判断するにはMRIの方が有用です。
しかし確定診断をする場合は、MRIとCTどちらの検査も受ける必要があります。
記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。

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監修医 知久 正明 (ちく・まさあき)
メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士

病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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