子宮頸管ポリープの症状と原因は? 妊娠や不妊への影響も解説
この記事では、子宮頸管ポリープが発生する原因やリスク要因、症状、診断・治療・切除方法などをわかりやすく解説します。自身の健康状態を知る第一歩としてご活用ください。
子宮頸管ポリープとは
子宮頸管ポリープは、頸管粘膜が限局性に増殖し、子宮の入口付近にできる良性の腫瘍です。婦人科で内診をすることで診断されます。罹患者は30~40歳代に多い傾向にあります。
良性・悪性の違いとがん化の可能性
子宮頸管ポリープは多くの場合、良性の腫瘍とされており、手術や切除で治療できることが多く、再発しないケースもあります。しかし稀に悪性腫瘍へ変化するため、切除して組織を病理検査で調べることが大切です。日本産科婦人科医会によると、ポリープ全体(2,246 例)の約0.1%に悪性腫瘍(がん)、約0.5%に異形成と呼ばれるがんの前段階の状態がみられたとされています。また、頸管ポリープはがん化の確率は非常に低いものの、感染や炎症が起こりやすいです。基本的には無症状であるものの、不正性器出血が続く場合などには早めの受診が推奨されます。
子宮頸がんとの関係
子宮頸管ポリープと子宮頸がんは、発生場所が近いため混同されやすいですが、基本的には別の疾患です。多くの子宮頸管ポリープは良性でがん化しません。しかし、肉眼ではがんかポリープかを見極めることは困難であるため、診断時に細胞診や病理検査を行い、悪性でないことを確認することが重要です。異常な細胞が見つかった場合は早期治療につながります。
主な症状と受診の目安
子宮頸管ポリープはほとんどの場合が無症状です。月経以外のタイミングや性交後の出血が主な症状となるため、自分で不正性器出血の有無と程度を十分に観察することが重要です。
異常出血・おりものの変化
子宮頸管ポリープがある場合、月経以外の時期に出血する「不正性器出血」がよく見られます。性行為時や内診の際に出血することがあり、痛みや違和感があらわれることもあります。また、子宮頸管ポリープが感染を起こしたり、炎症を起こしたりすると、膿のような色やにおいのおりものが見られることもあります。こうした症状が続いたり、頻繁にあらわれたりする場合は受診をおすすめします。症状は個人差がありますが、少しでも気になる変化があれば医師に相談しましょう。

無症状でも検診で発見できる
子宮頸管ポリープは、症状が全くない場合でも、婦人科の定期検診や子宮がん検診で偶然発見されることがあります。内診で粘膜や頸管の異常を確認できるため、特に自覚症状がなくても早期発見が可能です。月経異常や妊娠の有無に関係なく、定期的に検査を受けることが疾患の早期発見と健康維持のために重要です。症状があらわれないことも多いため、定期的に検診を活用しましょう。検診は大切な健康管理の一環となります。
原因とリスク要因
子宮頸管ポリープの原因は不明とされていますが、女性ホルモンと関係しているという説があります。ほかにも炎症や感染症も要因として考えられています。
ホルモンバランスや炎症
子宮頸管ポリープの原因は明らかになっていませんが、妊娠や生理周期の影響、閉経前後のホルモン変化がポリープ発生に関係しているとされています。慢性的な炎症や細菌感染が粘膜組織に刺激を与え、腫瘍の形成につながる場合もあります。
診断の流れと検査内容
病院を受診したタイミングから子宮頸管ポリープの診断確定までの流れや主な検査方法について解説します。
婦人科受診から診断確定までの流れ
子宮頸管ポリープが疑われる場合、まず婦人科で問診と内診が行われます。不正性器出血やおりものの変化などを医師に伝え、実際に頸管を観察します。続いて、必要に応じて超音波検査(エコー)や内診で子宮や頸管の状態を確認します。ポリープが発見された場合は、その大きさや数、悪性の可能性などをさらに詳しく調べるため、細胞診や病理検査が実施されることがあります。
診断の過程で自身の不安が軽減され、今後の治療方針も明確になるでしょう。何か気になる症状がある方は、婦人科受診をおすすめします。

主な検査方法
子宮頸管ポリープの診断には様々な検査が用いられます。最も一般的なのは、膣に金属器(クスコなど)をかけて内部を視診する「膣鏡診」で、頸管の粘膜を直接確認します。子宮頸管ポリープが疑われる場合、子宮や頸管の状態やポリープの大きさや数を評価します。また、細胞診や組織を一部採取し、病理検査によって良性か悪性かを調べることもあります。
これらの検査は痛みや負担が少なく、短時間で終わるのが特徴です。定期的な検診で異常が見つかった場合はきちんと詳しい検査を受けましょう。
治療方法と術後の生活
子宮頸管ポリープの治療法、手術後の過ごし方について解説します。
経過観察になるケースと基準
子宮頸管ポリープは手術で摘出するのが一般的です。しかし、以下の場合にはすぐに手術をせず、経過観察となる傾向にあります。
- 自覚症状がない
- 表面がきれい
- 不正性器出血が見られない
- 子宮頸部細胞診(子宮頸癌検診)に異常がない
- サイズが小さい
経過観察中も異常や不安があれば、すぐに受診して医師に相談しても、ほかの病院で医師へ相談するインフォームドコンセントを活用しても問題ありません。自身の状態や生活スタイルに応じて、主治医と相談しながら安心して対応することが大切です。
切除術の方法と日帰り手術の流れ
子宮頸管ポリープの切除術は、ほとんどの場合日帰りで行われます。婦人科外来で局所麻酔を用い、専用の器具や電気メスなどを使ってポリープを取り除きます。手術の所要時間は5分程度が一般的です。切除後は組織を病理検査に回して良性か悪性かを確認します。術後は自宅で安静に過ごせますが、経過観察のため再来院が必要になることもあります。痛みや出血が続く場合は早めの相談が大切です。
子宮頸管ポリープが大きく、大量出血のリスクが高いと判断された場合には、入院や全身麻酔下や脊椎麻酔下での手術を検討することもあります。この点については医師の指示に従いましょう。
術後の注意点と再発予防
手術後はしばらく安静にすることが大切です。出血や痛みが続いた場合は、無理せず婦人科に相談しましょう。性行為や激しい運動は術後1〜2週間は控えることがおすすめです。数年で再発することがあるため、定期的な検診を続けることが重要です。
妊娠や不妊への影響が気になる場合は医師としっかり相談できます。術後の経過が順調であれば日常生活に問題はありませんが、不安なことや異常があれば早めの受診が安心につながります。
費用と保険適用の目安
子宮頸管ポリープの検査や手術にかかる費用、保険適用の有無について解説します。
検査・手術ごとの費用と助成制度
子宮頸管ポリープの検査や手術は、保険が適用されます。検査は数千円で受けられ、切除手術も保険診療で3,000円程度が一般的ですが、病院や地域によって異なります。妊娠中や不妊治療を受けている場合は、追加の診察・検査が必要となることがあります。医療費の面で不安がある場合は、診療時に費用や制度について医師や受付に遠慮なく相談すると安心です。
妊娠・不妊への影響
妊娠中や不妊治療の際にポリープが見つかった場合の影響などについて解説します。
妊娠中に見つかった場合
妊娠中の方に子宮頸管ポリープが発見されることは珍しくありません。多くの場合は良性で、妊娠による子宮頸管の血流増大や女性ホルモンの影響によりポリープができやすくなると言われています。症状が軽度なら経過観察だけで済み、出血や感染などの症状が強い場合は小手術を行います。
妊娠への影響はポリープを残した場合、切除した場合のどちらも流早産のリスクが上がるとされており、一定の見解はありません。出血や炎症が強い場合は医師と相談のうえ、治療方針を決めます。安心して妊娠期間を過ごせるよう、定期的に検診を受け、医師に相談することを心がけてください。

不妊との関連性と注意点
子宮頸管ポリープと不妊の関連を心配される方も多いですが、多くの場合は直接的な原因にはなりにくいとされています。子宮内膜ポリープの場合は妊娠へ影響することがわかっていますが、子宮頸管ポリープの場合、現時点で不妊との関連性を指摘するデータはありません。しかし、妊娠を希望している方は早めに診断や治療を受けることが安心につながります。また、再発予防のためにも定期健診をおすすめします。
定期検診をする重要性とは
子宮頸管ポリープの切除後も定期的に検診を受けることが、自分の身体を知る上で非常に大切です。定期検診のタイミングについて解説します。
定期検診のタイミングと重要性
子宮頸管ポリープは症状がなくても、定期的な婦人科検診の際に発見されるというケースがあります。特に月経のタイミング以外での出血、違和感があれば1年に1回はチェックを受けると安心です。子宮頸管ポリープ切除した方や、ポリープが見つかって経過観察となった方は、医師の指示に従って1年を目安に再検査を受けることが推奨されます。その後はポリープの数や大きさ、組織型などの結果に応じて医師の指示したタイミングで受診しましょう。
子宮頸管ポリープについてのまとめ
子宮頸管ポリープは良性のケースが多く、適切な診断と治療を受けることで良好な経過が期待できます。不正性器出血やおりもの変化を感じた際は、早めの受診が安心につながります。検査や切除は多くの場合、保険適用で費用も大きな負担にはなりません。定期検診や生活習慣の見直しによって、再発予防につながる可能性があります。不安がある場合は遠慮なく婦人科へ相談してください。自分自身の健康管理に役立てて、前向きな毎日を過ごしましょう。
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東北大学大学院医学系研究科博士課程
2019年浜松医科大学医学部医学科卒 産婦人科専門医取得後、周産期医学分野を専攻する大学院生として診療と研究に従事。 クリニックなどの一次施設から、産科専門病院や3次救急病院まで幅広い診療分野で診療を行ってきました。