2023/02/10 ( 公開日 : 2021/12/08 )
市販の咳止め薬は使ってもいいの? 咳の種類によって使い分けたい医薬品
止めたほうがいい咳、止めないほうがいい咳
咳には主に乾性咳嗽(かんせいがいそう)と、湿性咳嗽(しっせいがいそう)の2種類があります。乾性咳嗽は痰が絡まず「コンコン」と乾いた咳が出ることが特徴です。一方で湿性咳嗽は痰が絡んで「ゴホゴホ」という湿った咳が出ます。
湿性咳嗽は止めないほうがいい咳と言われています。咳止めを使うことで痰を出しづらくなり、かえって症状が悪化してしまう可能性があるからです。そのため、咳止めではなく痰を取り除くお薬を使っていきます。
一方で乾性咳嗽は、咳止めを使ってもいい咳です。
ただし無闇に使ってもいいわけではありません。
咳止めの薬について
咳止めで対処できるのは、「コンコン」と鳴る痰の絡まない咳です。アレルギーや喫煙、風邪など、のどの炎症が原因で起こる咳全般に使用できます。
では、具体的にどのような咳止めが使えるのか、症状や薬の種類別に見ていきましょう。
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乾性咳嗽に使う咳止め
痰が絡まない乾いた咳には、咳中枢に働いて咳そのものを止める働きのあるお薬が使われます。
代表的な市販薬は次のとおりです。
湿性咳嗽には去痰薬
痰が絡む乾いた咳には、咳止めではなく去痰薬を使います。
咳止めが苦手な方には漢方薬
咳止めを飲むと眠気や便秘が気になりやすいという方は、漢方薬を使ったお薬もよいでしょう。
トローチ・ドロップも効果的
トローチやドロップは、咳止めの飲み薬を使うほどではない、軽度なときに使うことが多いでしょう。
咳止めと併用すると成分が重複することがあるので、ほかのお薬との併用は基本的にできません。どうしても喉がイガイガするときは、医薬品ではない普通ののど飴を使うようにしましょう。
市販薬と処方薬の違い
市販薬と処方薬とで咳止めの成分に大きな違いはありません。
ただし、市販の咳止めはさまざまな種類の成分が入っているものがほとんどのため、「本来なら必要のない成分まで服用してしまう」「本来必要な成分が少ない」というデメリットがあります。
必要のない成分を服用することで、副作用が起こりやすくなることもあるでしょう。
処方薬はひとつの薬にひとつの成分しか基本的には入っていないため、症状によりマッチしたお薬を服用することができます。
市販の咳止め薬を使用する際の注意点
市販の咳止めには、使用上の注意や用法用量が記載されています。必ず飲み方を守って服用してください。薬がなかなか効かないからといって自己判断で増やして飲むことはしてはいけません。
また、服用回数を増やすのもNGです。市販薬で効果を実感できない場合は医療機関を受診して、適切なお薬を処方してもらいましょう。
市販の咳止めの中には、疾患がある方が使えない成分が含まれているものもあります。
治療中の疾患がある方は、医師や薬剤師に相談してから服用するようにしてください。
内服の咳止め薬の注意点
市販の咳止めのパッケージを見ると「せき・たんに効く」と書かれているものが多く見られます。パッケージだけでは咳を止める成分が入っているのか、去痰剤だけが入っているのかがわかりにくいのが現状です。
パッケージの裏を見て成分を確認するか、登録販売者や薬剤師に相談して選ぶといいでしょう。
ほかのお薬を併用しないことも大切です。風邪薬、鼻炎薬、アレルギー用の薬と併用すると成分が重複する可能性が高いため、咳止めを使用しているときはほかのお薬を飲まないようにします。
第一類医薬品として販売されている「テオフィリン」は、ほかのお薬と比べて副作用が出やすいので、こちらも服用には注意が必要です。
コデイン(ジヒドロコデインリン酸塩)の注意点
市販の咳止めには、コデインリン酸塩やジヒドロコデインリン酸塩がよく使われています。
コデイン類は効果が強力である一方、12歳未満の方が使うと、呼吸抑制の副作用が出やすい成分です。小児には使えないため注意してください。
また眠気を起こしやすい成分でもあるため、服用した後は高いところでの作業や乗り物の運転は避けましょう。
便秘になりやすいことから、便秘気味の方や痔がある方は服用しないか、多めに水分を摂るようにしてください。
編集部までご連絡いただけますと幸いです。
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