知っておきたい脳ドックの補助金・助成金制度 思っていたよりずっと安く受診できるってほんと?
2023/02/21 ( 公開日 : 2023/02/21 )
慢性硬膜下血腫について知っておきたいこと 治る認知症って何?

慢性硬膜下血腫とは?
軽度の外傷などで、硬膜の下に出血が起こり、血腫の周囲に被膜が形成されます。

被膜は硬膜に近い側を外膜といい、くも膜に近い側を内膜といいます。
ちなみにこれらの被膜ができる機序はまだ完全には明らかになってはいません。
血管が多い外膜の側でくり返し出血したり、浸透圧の関係で、血腫が徐々に増大していきます。
アルコール多飲者や高齢者、肝臓疾患がある方、血液透析をしている方に多いといわれていますが、若年の方や頭部外傷を受けたことがない方も発生することはあります。
原因と症状
受傷は壁に少し頭をぶつけたなど軽度であることが多いですが、頭蓋内の血腫が増大すると以下のような症状が現れます。
- 頭痛(初発症状として多い)
- 片麻痺
- 物忘れ、性格変化などの認知障害(高齢者に多い)
- 歩行障害
頭部を壁や柱に接触することで起こることが多いですが、特にこうした衝撃を受けなくても血腫ができることもあります。
また、急性硬膜下血腫から慢性化する場合もあります。
高齢者で性格がいきなり変わってしまったり、もの忘れが激しくなってしまうと認知症かもと諦めてしまいがちですが、慢性硬膜下血腫が原因となっている一時的な認知障害なら処置を行うことでもとの状態に戻すことができます。
「治る認知症」という呼び方もされていますので、気になる方はCTやMRIを使った検査を一度受診してもいいかもしれません。
検査と診断方法

検査は一般的にCTを用います。
慢性硬膜下血腫の場合には、頭蓋骨と脳のあいだに三日月状に血腫が描出されます。
約10%ほどは両側に発症することもあるといわれています。
血腫が大きくなければ経過観察になりますが、血腫が増大傾向にあるものや、サイズが大きくすでに神経症状が出ている場合は、すぐに外科手術が行われます。
無症状で経過観察になるときには、漢方薬(五苓散など)、止血剤などが有効とされることもあるため、投与される場合もあります。
治療方法とその後の処置
治療方法
外科的手術では、穿頭洗浄術を行います。
穿頭洗浄術とは、手術室で局所麻酔を行い、頭蓋骨に穴(穿頭孔;せんとうこう)を開けてシリコンでできた廃液チューブを挿入、血腫を排出して、血腫があった部分の洗浄も行う場合があります。
その後の処置
術後は半日から1日のあいだ廃液チューブを留置した状態にして、充分な減圧がなされていることを確認したのちにチューブを抜き、問題なければ1週間程度の入院ののちに退院となります。
退院後は10%程度は術後の再発が見られるため、画像を取りながら経過を観察し、もしふたたび血腫が増大した場合には再手術が必要になります。
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28年間の脳神経外科の手術と救急の経験から、再生しない脳という臓器の特性、知らないうちに進行し突然発症して障害を残す脳卒中疾患の特性に対しては「発症させない」ことが最も有効な対策だと考えています。 なるべく多くの方が健康なうちに脳ドックを受診し、問題解決できる環境を提供してゆきたいと思います。
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