2023/05/23 ( 公開日 : 2023/05/23 )
急性硬膜外血腫について 自覚症状がない時間がある場合も?
急性硬膜外血腫とは?
急性硬膜外血腫とは、転倒や交通事故、頭部を強く打撲することなどで、脳を覆っている硬膜と頭蓋骨のあいだに血液が貯留することをいいます。
頭蓋骨の線状骨折や、陥没骨折にともなって発生することが多いとされています。
特徴としては、社会的にも活発な若者世代や、転倒の多い高齢者に多く見られます。
原因
頭蓋骨と脳のあいだには硬膜、くも膜、軟膜がありますが、この中でももっとも外側に位置していて厚くて丈夫なのが硬膜です。
硬膜の表面には動脈が走っており、裏側に静脈が走っています。
頭蓋骨をもし骨折すると、骨折した部位から出血したり、頭蓋骨に接した硬膜の血管が損傷され、この部分から出血します。
症状
急性硬膜外血腫は出血量が少ないときには自覚症状はほぼありませんが、出血量が多くなってくるとその貯留している血液が脳を圧迫して、脳の働きに影響が現れます。
頭蓋内圧亢進症状(※頭蓋内圧の上昇で起こる症状のこと)といわれる頭痛、吐き気、複視などが起こり、症状を放置していると命に関わる危険性が出てきます。
急性硬膜外血腫では、頭蓋内に出血が充分に貯まるまでの自覚症状があまりない時間があることがよく知られており、この時間を「意識清明期(lucid interval)」といいます。
この意識晴明期はケースによってさまざまで、受傷後数時間、ときには24時間ほど経ってから先ほどの頭痛や吐き気などが出てくることもあります。
ちなみに急性硬膜外血腫が起きているときにかならずこの意識清明期があるわけではなく、より重症であれば脳に血液も貯留しやすく、比較的早期に意識障害などの症状が現れます。
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