2022/08/31 ( 公開日 : 2022/05/12 )

子宮/卵巣のがんは初期症状がない? 若いうちから定期的な検診をすすめる理由

症状
がん 婦人科検診 子宮
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子宮/卵巣がんの診断方法は?

子宮/卵巣のがんの診断には、触診・内診(直腸診)、細胞診、超音波検査、血液検査(腫瘍マーカー)、MRI検査などをおこないます。
確定診断をつけるためには、子宮頸部および子宮内膜の組織を採取して病理学的にがん細胞の有無を確認することが必要です。
卵巣組織はお腹をあけないと採取できないため、手術によって組織を採取する場合があります。その場合は診断と治療が同時となります。

触診、内診(直腸診)

子宮や卵巣の状態を腹部の触診や、腟から指を入れて調べる内診で確認します。
また、直腸や周囲に浸潤がないかを確認するために肛門から指を挿入する直腸診を行うことがあります。

細胞診

子宮頸部および子宮内膜を擦って細胞を採取し検査に提出して、良性か悪性かを判断します。卵巣は腹腔内からしか細胞を取ることができないため検診レベルでは細胞診を行うことはできません。
子宮頸部細胞診は、一定集団の死亡率減少効果があると証明されているため子宮頸がんのスクリーニングとしては非常に有効です。

超音波検査

子宮、卵巣を観察するために、腟や肛門に超音波器具を挿入して検査をおこないます。
性交経験がない場合はお腹から超音波検査をおこなう場合もありますが、検査の精度はやや落ちます。
子宮や卵巣の腫瘍性病変の有無、子宮内膜肥厚の有無を確認します。
また、卵巣腫瘍の性質、状態、大きさを調べたり、腫瘍と周囲臓器の位置関係を調べることもできます。

血液検査(腫瘍マーカー)

体内にがんが発生すると、通常はほぼみられない、そのがん特有の物質が血液や尿のなかに現れます。この物質を腫瘍マーカーといいます。
子宮/卵巣がんでは、CA125、CEA、CA19-9などを血液検査で測定します。
スクリーニング検査の中で簡単に行うことができるのがメリットです。

CA125は女性特有の疾患リスクに幅広く対応する腫瘍マーカーで、一般的に基準値は35U/ml以下とされてます。
CA125はエストロゲンによって生成が促されるため、生理時に上昇する性質があり、異常値まで上昇することもありますので、生理中の検査は避ける方がいいとされています。

MRI検査(画像検査)

MRIを用いた検査では、骨盤内の病巣を画像化して診断できます。
超音波検査よりも詳細に病変の大きさや広がり具合、周囲臓器との関係性がはっきりわかります

子宮がん、卵巣がん以外にも、子宮筋腫、子宮腺筋腫、子宮内膜症などの婦人科系の病気の発見にも役立ちます。
放射線は使わないため、被ばくの心配はありません。

定期的な検査で早期発見・早期治療を

子宮/卵巣がんは、初期の段階では症状がないことが多いです。
定期的な検査で早期発見することが大切。
早期に治療を開始すれば、がんの広がりが少ない状態で治療をすることができますので、体への負担も抑えることができます。

記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。

メディカルチェックスタジオでは
MRIを用いて子宮/卵巣を検査できます。

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監修医 叶谷 愛弓 (かなたに・あゆみ)
東京大学医学部附属病院 女性診療科・産科
助教、産婦人科専門医、医学博士

東京女子医科大学を卒業後、関東労災病院で初期研修。その後、東京大学産科婦人科学教室入局。長野こども病院、虎の門病院、東京警察病院などで修練を積んだのちに現在は東京大学医学部附属病院、女性診療科・産科の助教として勤務。専門は周産期。妊娠中のDHA(ω3脂肪酸)の意義に関する研究で学位を取得。

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