2022/06/03 ( 公開日 : 2022/01/21 )

長引く咳は肺結核かも?! 治療方法はある? 予防意識が大切な人への感染を防ぐ!

症状
せき 呼吸器
この記事は約4分で読めます
肺結核とは、肺や気管支に結核菌が感染することで発症する病気です。エイズ・マラリアと並ぶ世界の3大感染症のひとつで、菌が増殖することで肺以外の場所にも異常をきたし、命の危険もある病気です。この記事では、肺結核がどんな病気で、治るものなのか解説していこうと思います。
目次

肺結核とは?

現在、肺結核は治療薬が開発されたことで、「完治が見込める」ようになりました。
初期症状は風邪と似ていて、病院を受診するときの症状が「2週間以上の長引く咳」という訴えが多いと言われています。
そのため、最初の段階では風邪だと思い、見逃されることも少なくありません

早いうちに治療を行えば重症化を避けられ、人へ感染させる危険も少ないです。
そのため、早期発見・早期治療が重要なポイントとなります。また、予防も可能であるため事前の対策が必要です。

これまでの肺結核

過去に、新型コロナウイルスと同様、世界的に結核菌の感染が広がったことがあります。
過去の感染拡大状況について結核は1950年以前の日本人の死因のトップでした。患者数は年間60万人以上、死亡者数は年間10万人以上と致死率20%以上を推移。
国民の二人に一人は潜在的に結核に感染している状況で「国民病」「亡国病」などと呼ばれていました。

肺結核の現状

現在の国内状況として、罹患率は2019年に人口10万対(10万人あたり)11.5まで低下しましたが、未だ10以上です。
欧米などの肺結核のまん延が収まった国と比べると、患者数の割合が3-5倍で「中まん延国」と言われています。
高齢者で発症するケースが多く、新規結核患者のうち70歳以上が59%、さらにそのうち80歳以上が40%です。
これは、免疫力が落ちた頃に結核菌が増殖していることが要因だと考えられます。

今後の課題

不特定多数が集まる場所で感染するため、都市部では20-30歳代の比較的若い世代の発病が増えています。
飛沫や空気感染するため、換気の悪い室内だとより感染しやすいため注意が必要です。
また、海外では世界人口の約3分の1が感染している病気のため、日本に来た外国人が結核を発病するケースが増えていることも問題視されています。

結核菌の主な感染経路

結核菌は人から人に感染する病気です。感染の仕方は、咳やくしゃみなどによる飛沫で、空気中に漂った菌を吸い込む「空気感染」が中心です。

実は、結核菌に感染しても発病しない場合も多いです。初めて感染した人のうち、9割は発症せずに気づかないうちに自然治癒しています。
感染により免疫細胞が記憶して、再感染による発症も少ないというデータもあります。
しかし、加齢によって免疫力が落ち、過去の感染が再燃するケースもまれにあることは事実です。

昨今のコロナウイルス感染拡大と同様、不特定多数が集まる状況で、室内の換気の悪い場所に長時間いることが感染リスクを上げることになるため注意しましょう。

肺結核の主な症状

肺結核の特徴として、

・一般的な肺炎やインフルエンザなどの呼吸器感染症よりもゆっくりと進行する

・初期症状が軽い

などが挙げられます。

肺結核と診断された時には、病気が進行している場合が多いです。
重症化すると命に関わるか、後遺症が残り呼吸不全や慢性的な肺炎になるなど、生活に支障をきたす場合があります。

肺結核の症状は、

・咳(2週間以上)

・熱

・体重減少、寝汗、食欲不振などの全身症状

・痰、血痰

・胸痛

などがあります。

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監修医 伊藤 晴紀 (いとう・はるき)
元メディカルチェックスタジオ医師・医学博士

同じ病気でも、患者様ひとりひとり治療方針は違ってきます。それぞれの生活やバックグラウンドに合った医療を提供できるよう心がけております。
患者様が健康で長生きできるよう、診断・治療だけでなく、最新の医療知識を織り交ぜながら診察しております。

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