2021/11/25 ( 更新日 : 2021/11/25 )

肺がんのステージとは? ステージ別の進行度や5年生存率についても解説

症状
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がんは日本人の死因第1位になるほど死亡者数が多い病気です。がんの進行の程度を表したものに「ステージ(病期)」があります。これは治療方針を決める上で重要な判断材料です。この記事の中では、肺がんのステージごとの状態、治療方法、また5年生存率などについてご紹介いたします。
目次

肺がんのステージの分類法

ステージ(病期)を分ける目的は「治療方針の決定」と「治療後の予測の見通しを立てること」の2つです。ステージを決めるためにがんの大きさや広がり方、リンパ節への転移、遠隔転移などの状況を評価した「TNM分類」を基にしています。

肺がんのステージは

0期
Ⅰ期(ⅠA1~ⅠA3、ⅠB)
Ⅱ期(ⅡA、ⅡB)
Ⅲ期(ⅢA、ⅢB、ⅢC)
Ⅳ期

に分類されています。

Ⅰ→Ⅱ→Ⅲ→Ⅳ、またA→B→Cとステージが進むにつれて、より進行したがんであることを示します。

TNM分類について

表1 TNM分類の詳しい内容
詳細 検査方法
T – 原発の進展度 肺がんの広がり(径の大きさや周囲の臓器へどの程度湿潤しているか)をあらわす。
大きくは「T1」〜「T4」の4段階に分類。
胸部CT検査
(場合によってはFDG -PET/CTもしくは胸部MRI)
N – リンパ節転移 リンパ節への転移があるかどうかをあらわす。
転移がない場合には「N0」、ある場合にはどのリンパ節に転移しているかによって「N1」〜「N3」に分類される。
胸部造影CT検査、FDG -PET/CT
M – 遠隔転移 離れた場所(反対側の肺や肝臓や骨など)への転移があるかどうかをあらわす。
転移がない場合には「M0」、ある場合には「M1」と分類される。
FDG -PET/CT、頭部造影MRI

図で表現すると、以下のようになります。

がんの転移とは?

がん細胞は、細胞が血球やリンパに乗って移動することや、自律的に増殖することが特徴です。

正常な細胞は必要に応じて、増えたり減ったりと調節しながら、同じ場所に留まっています。しかしがん細胞は常に増え続け、あらゆる場所に広がっていきます。
これを「転移」と呼び、血管やリンパに乗って他の組織に移動したり、種をばらまくように広がったりします。

種類によって転移する割合が多い臓器があり、肺がんの場合は反対側の肺、肝臓、脳、骨のいずれかであるケースが多いです。

ステージ別の進行度

ステージはTNMの指標をもとにして、どれだけ肺がんが進行しているかを大別します。
細かな分類は言及しませんが、ざっくりと分けると以下のようになることは知っておきましょう。

表2 ステージ別の進行度
ステージ 評価
ⅠA・ⅠB期 ごく早期の肺がん
ⅡA・ⅡB期 早期であるがやや進行がみられる
ⅢA期 局所進行がんの初期
ⅢB・ⅢC期 局所進行がん
Ⅳ期 転移性肺がん

ステージ別の5年生存率

5年生存率とは、病気の診断をされてから5年後に生きている人の割合のことです。
治療効果の指標としています。
多くのがんが、治療して5年間再発しなければ、再発の可能性が低くなるため、5年という基準を設けられています。

肺がん患者の5年生存率は、

ステージⅠA : 91.6%
ステージⅠB : 71.5%
ステージⅡB : 58.1%
ステージⅣA/ⅣB : 36.0%

となっています。
(引用:国立がん研究センター 中央病院 2010年全国肺がん登録のデータ)

上記の数値からも分かるように、ステージが進行するほど生存率はかなり低くなっていきます。
ゆえに、できるだけ早い段階で発見、治療をすることが重要です。

肺がんは早期発見・治療が根治のカギ! 定期的な肺の検査を受けよう

肺がんは自覚症状が少なく発見が遅れるケースが多いです。自覚症状が出た時には、すでにステージⅣまで進行していて、根治のための治療ができないことも。

くり返しにはなりますが、肺がんは早期発見が大切。
そのためにも、年に1回は肺の検査をすることをおすすめいたします。

気になる方は、即日予約・受診可能です。
所要時間10分、検査は3分の「CT肺・心血管ドック」

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監修医 伊藤 晴紀
(いとう・はるき)

メディカルチェックスタジオ新宿クリニック・医学博士
同じ病気でも、患者様ひとりひとり治療方針は違ってきます。それぞれの生活やバックグラウンドに合った医療を提供できるよう心がけております。
患者様が健康で長生きできるよう、診断・治療だけでなく、最新の医療知識を織り交ぜながら診察しております。

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