2021/11/17 ( 更新日 : 2021/11/22 )

悪玉コレステロールとは? LDLの値を下げる生活習慣や、投薬治療についても解説!

症状
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コレステロールという言葉はよく聞きますが、健康診断などで注目されるのは「悪玉コレステロール」と呼ばれるLDLと、「善玉コレステロール」と呼ばれるHDLの2種類。悪玉と呼ばれているLDLコレステロールは悪いものだと思われがちですが、体にとって必要不可欠なものです。この記事の中では、悪玉コレステロールや脂質症について解説していきます。
目次

そもそもコレステロールって何?

コレステロールとは、脂質の一種です。
脂質にはコレステロール以外にも、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸があります。

コレステロールは細胞膜の一部になったり、皮膚からの過剰な水分蒸発の防止や化学物質から守るなどの役割を持っています。
そのためコレステロールがなければ、正常な機能を保てなくなります。他にも、数種類のホルモンの基本骨格となったり、脂肪の消化を助ける役割もあり、必要不可欠な存在です。

LDLとは?

LDLは「悪玉コレステロール」と呼ばれています。名前に悪玉と付いているため、悪いものだと思っている人も少なくありません。
しかし、悪玉コレステロールには、「コレステロールを組織に運ぶ」という大切な役割があります。しかしLDLコレステロールがなければ、血管がもろくなったり、ホルモンを作れなくなったりします。

しかし増えすぎるのも、良くありません。

・増えすぎた場合は酸化された超悪玉コレステロールに変換され、体への悪影響が起きる可能性がある
・血液中の超悪玉LDLコレステロールが増えすぎると血管壁にたまる

以上のような現象により、血管が硬くなり詰まりやすくなる「動脈硬化」を引き起こすリスクを上げます。

HDLとは?

HDLは「善玉コレステロール」と呼ばれています。これは細胞にある余分なコレステロールを取り除く役割を持っています。血管内腔にあるコレステロールも取り除くため、HDLコレステロールが少ないと、却って血管が詰まりやすくなってしまいます。

脂質異常症とは?

・悪玉コレステロール値が高い
・中性脂肪値が高い
・善玉コレステロール値が低い

以上の3つの状態を総称して「脂質異常症」と呼びます。

中性脂肪の役割は、身体にエネルギーを貯蔵したり、体温の調節を行っています。多すぎると超悪玉LDLが増えるため、血管が詰まりやすくなるので注意が必要になります。結局はどれもバランス良く持っていることが大切だということです。

脂質異常症が引き起こす病気

脂質異常症により、脂質が血管内に増えすぎてしまうと、将来の動脈硬化のリスクを高めてしまいます。それが心臓や脳で起こると、心筋梗塞や脳梗塞などの発症率を上げる恐れがあります。

血液中に脂質が多い状態が続くと、血管の壁にたまります。柔らかくて壊れやすいプラーク状態になった血管の壁の変化を「粥状(じゅくじょう)動脈硬化」と言います。
さらに、時間の経過とともに血管の壁がどんどん分厚くなって、最終的には血管が詰まりやすくなります。

また血管壁に溜まったコレステロールの壁が破けて、破れた部分を修復するために血小板が集まり血栓ができます。この血栓自体が血管を閉塞したり、さらに動脈を塞いだりしてしまう塞栓症の可能性もでてきます。

脂質異常症の原因

・食事で糖質や脂質を摂りすぎている
・肥満状態のため中性脂肪が増え、LDLコレステロールにも影響を与えている
・体質や遺伝によってLDLコレステロールが増えている

以上の3つがおもな原因として考えられます。

体質や遺伝に関して、「家族性高コレステロール血症」というものがあり、これは年齢や生活習慣とは関係がありません。
正常であれば、LDLコレステロールは肝臓にあるたんぱくによって、細胞に取り込まれ壊される仕組みがあります。しかし、その仕組みが機能せず血液中に異常に溜まってしまいます。

脂質異常症の基準

■正常範囲
・LDLコレステロールは63~139 ㎎/dl
・HDLコレステロールは40~70㎎/dl

■異常と診断される数値
LDLコレステロール
・140mg/dl以上の場合→高LDLコレステロール血症
・120~139㎎/dlの場合→境界域高LDLコレステロール血症
HDLコレステロール
40mg/dl未満の場合→低HDLコレステロール血症

ただし例外として

・高血圧や糖尿病、腎臓病などの症状がある人
・過去に心筋梗塞を発症したことがある人
・動脈硬化を起こす可能性が高い人

などの条件に当てはまる人は、基準値が低い値になることもあります。

脂質異常症の予防・改善方法

脂質異常症の予防・改善には、

・食生活上の注意点を守る
・脂肪を減らすための行動を取る

の2点がまず大切になります。

しかし、遺伝が原因であったり、一刻も早く改善が必要だという時などは薬物療法を行う場合もあります。

食事療法

食事に関しては、

・コレステロール摂取量は1日200mg以下にする
・雑穀、果物やきのこ、大豆などを多めに摂取
・動物性の脂肪を減らし、魚や植物性の脂を多くする
・アルコールは1日25g以下にする

以上のことなどを守りましょう。

また、「トランス脂肪酸」という脂肪酸の一種を取りすぎると生活習慣病を引き起こしやすくします。
食品から摂取する必要はないとされており、特にマーガリン、ショートニングなど多く含まれる食品はできるだけ避けましょう。

運動療法

脂質を減らすための運動として、有酸素運動を週3回、30分程度継続して行うことが推奨されています。具体的には水泳、ウォーキング、サイクリングなどの運動です。
HDLコレステロールを増やし、LDLコレステロールを減らす効果があります。

投薬治療

薬での治療は、基本的に食事療法・運動療法で解決しない人に対して行います。

・動脈硬化がすでに起こり、治療中の人
・糖尿病や高血圧、喫煙など、さらに動脈硬化が進む可能性が高い人
・遺伝的に動脈硬化を起こしやすいことが分かっている人

など進行を抑制するために行う場合もあります。

薬について

①HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系)

スタチン系薬剤は肝臓内のコレステロール量を減少させ、血中のLDLコレステロールが主成分のリポタンパクを肝臓内へ取り込んでその代謝を促進させます。

そのため血中のLDL、すなわちコレステロールの量を減少させるため、高コレステロール血症の治療に用いられます。

②陰イオン交換樹脂系薬

内服後に腸管に到達すると、胆汁酸と結合することで再吸収を阻害。そのまま便と一緒に出ていきます。

結果として、胆汁酸を作るために肝臓に蓄えられたコレステロールが使われ、肝臓にあるLDLレセプターが活性化。
血中からコレステロールの取り組みを増やすため、血中のコレステロール減少が期待されます。

コレステロールが気になる方は+αの検査を

コレステロール値の異常は健康診断でも分かりますが、脂質異常症や動脈硬化が心配な場合は、健康診断+αの検査をおすすめします。

スマートドックでは、動脈硬化や血管のつまりを引き起こす超悪玉コレステロールの量を調べることができる採血検査を行っていますので、興味を持たれた方はぜひ受診されてみてはいかがでしょう。

メディカルチェックスタジオ(銀座/新宿)では
動脈硬化や血管詰まりの起こりやすさを検査できます。

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監修医 知久 正明 (ちく・まさあき)

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士
病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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