2022/07/08 ( 公開日 : 2022/05/24 )

未破裂脳動脈瘤とは? くも膜下出血を起こす危険がどのくらいあるかを知りましょう!

症状
くも膜下出血 動脈 脳出血
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脳ドックで未破裂脳動脈瘤が見つかった場合どうする?

直径が5mm未満

5mm未満の未破裂脳動脈瘤が見つかったときには、血圧管理、禁煙、節酒を目的として生活習慣の改善を行いつつ、定期的な検査を推奨することが多いです。

5mm程度の未破裂脳動脈瘤が破裂するのは、1年間に0.5%程度といわれています。
これより小さな脳動脈瘤で、前述の表1に記載されている危険な条件にも当てはまらなければ、手術を行う必要はほぼありません。

しかし加齢とともに血圧が上がってしまったり、脳動脈瘤の形状に変化がみられたりすると、手術を行った方がいい状況に変わることもあります。

直径が5mm以上

直径が5mmを越えるときには、手術を検討する必要が出てきます。
治療方法は大きく2種類。

・血管内治療(コイル塞栓術)

血管内治療では、脳動脈瘤のなかに形状記憶のついたコイル(※柔らかく細いプラチナ製)をカテーテルから詰め込んで、瘤内に血液が流れ込まないようにします。
カテーテルは足の付け根の動脈から挿入して、X線透視血管画像をみながら脳の血管まで進めます。

開頭の必要がないため頭部に傷が残らず、治療も比較的短時間(1~3時間)で行うことができるのがメリットです。
瘤内のコイルが安定するまで時間がかかるので、再発のリスクがクリッピング術に比べて高いのがデメリットです。

・開頭手術によるクリッピング術

脳動脈瘤の首根っこの部分を金属のクリップで挟むことで、破裂や出血を防止する治療法です。
開頭して術部を手術用顕微鏡で直接みながら治療を行うため、確実性が高く、再発リスクも低いのがメリットです。

特に脳動脈瘤が脳の表面に近い箇所にある場合には、この手術が有効とされています。治療時間は比較的長くなり、体への負担は大きくなることがデメリットです。

どちらの治療法にも、上述のようにそれぞれ長所と短所があります。
また当然ながら治療を行うこと自体にもリスクがあるため、患者さまの希望や、血圧、年齢、瘤の形状なども考慮して、将来の出血リスクを総合的に判断することが必要となります。

まとめ

脳動脈瘤は人口の2~6%が持っているともいわれます。
脳ドックを受診されたことで、脳動脈瘤が見つかる方もおられることと思いますが、すぐに手術が必要な方の数は多くありません。

ただ数%は破裂のリスクがあることをしっかり自覚し、最初は半年以内に、その後は1〜2年ごとに脳の状態をチェックすることが望ましいといえるでしょう。

記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。

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監修医 鳴海 治 (なるみ・おさむ)
元メディカルチェックスタジオ医師・医学博士

28年間の脳神経外科の手術と救急の経験から、再生しない脳という臓器の特性、知らないうちに進行し突然発症して障害を残す脳卒中疾患の特性に対しては「発症させない」ことが最も有効な対策だと考えています。 なるべく多くの方が健康なうちに脳ドックを受診し、問題解決できる環境を提供してゆきたいと思います。

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