2022/12/14 ( 公開日 : 2021/10/12 )

脳卒中を発症しやすい季節や時間帯はあるの? こんな前兆があるときにはすぐ病院へ!

症状
初期症状 脳卒中
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脳卒中を起こす大きな原因は高血圧です。血圧をコントロールするのはもちろん大事なことですが、実は高血圧以外にも脳卒中の発症リスクを高めるものがいくつかあります。時間帯や季節、行動などが関係しているのです。今回は脳卒中とはそもそもどのような病気なのか、何が脳卒中のリスクを高めてしまうのかなどを記事内で説明していきます。
目次

そもそも脳卒中ってどんな病気?

脳卒中とは、脳の血管が破れたり詰まったりすることで起こる疾患の総称です。脳梗塞や脳出血、くも膜下出血のことをまとめて脳卒中と呼んでいます。脳梗塞は脳の血管が詰まるもの、脳出血は脳の血管が破れるもの、くも膜下出血は脳の動脈にできたコブ状の膨らみである脳動脈瘤が破裂して起こるものです。

脳卒中を起こすと次第に脳へ血液が巡らなくなり、神経細胞の機能が障害されます。治療開始までに時間がかかるほど後遺症が出やすくなるため、早期の治療がとても大切です。また脳や脊髄といった神経組織は他の臓器と異なりいったん損傷すると回復することはありませんので、脳卒中に対しては予防医療が大変重要です。

健康なうちにご自身の脳血管に脳動脈瘤、狭窄や閉塞が存在するのかどうかを知っておき、以下に述べるような動脈硬化の危険因子を解決していくことが脳の予防医療の第一歩となります。

がんや心疾患に次いで、脳卒中は日本の三大死因のひとつとして知られています。

脳卒中の主な原因

脳卒中は、そもそも動脈硬化により起こる疾患です。
動脈硬化とは、血管の弾力性が失われたり血管壁にコレステロールなどが取り込まれたりするために血管が詰まりやすくなった状態を指します。
また逆に動脈硬化は血管壁を傷つけ出血性のトラブルを引き起こすという側面も持っており、詰まる方も破れる方も動脈硬化が基盤となっていると言えます。
つまり、動脈硬化を予防できれば脳卒中も予防できるのです。

では、動脈硬化の原因はいったい何なのでしょうか。
遺伝的な背景もありますが、主な原因は次のとおりです。

・高血圧
・脂質異常症
・糖尿病
・喫煙

高血圧は血管の弾力性が失われたり、脳の血管が破れたりする原因です。
脂質異常症は血管を狭くするため詰まりやすくなります。糖尿病は血管に障害を起こし、喫煙は血管に炎症を起こすことが特徴です。

脳卒中が起こりやすい季節や時間帯はある?

脳梗塞や脳出血、くも膜下出血のことを指す脳卒中。主な原因は高血圧や脂質異常症などによって起こる動脈硬化です。
ほかに、季節や時間帯も脳卒中のリスクを高める要因として知られています。
脳卒中の種類によって発症しやすいタイミングが異なるため、どういうときに起こりやすいのかを知り、できるだけ予防することが大切です。

脳梗塞

6~8月の夏頃は、脳梗塞が起こりやすい季節です。脳梗塞は血管が狭まったりドロドロになって詰まったりすることで起こります。
そのため、汗を大量にかくことで体内の水分量が低下しやすい夏場に起こりやすくなります。

とくに起床してから2時間以内と、睡眠中は脳梗塞が起こりやすいタイミングです。
起きてすぐは血圧が急激に上がりやすく、睡眠中は脱水を起こして血管の中を流れる血液がドロドロになりやすいことが関係しています。

脳出血

脳出血は冬に起こりやすいことが特徴です。冬場は体温を上げるために血管が収縮し、血圧が上がりやすくなっています。
冬場でもとくに起床後は急激に血圧が上がりやすいため、脳出血のリスクが高まっている状態です。また、夕方は精神的にも身体的にも緊張が高まるため、血管が収縮しやすくなります。

ただし高齢者の場合は、冬場に限った話ではありません。
高齢者は体温を調節する機能が低下するため脱水症状になりやすく、血液が詰まって血栓ができやすい状態です。
そのため高齢者は、冬場だけでなく年間を通して脳出血には注意しなければいけません。

くも膜下出血

くも膜下出血は冬場に発症しやすくなります。とくに午前6時から12時の間が発症しやすい時間帯です。冬場は体が熱を生み出そうと血管を収縮させているため、血圧が上がりやすくなります。
起床後は血圧が急激に上がりやすく、血管や心臓への負担が大きくなりやすいことも要因です。

もともと血圧が高めの方、糖尿病や脂質異常症などの持病がある方は冬場の午前中がくも膜下出血を起こしやすいタイミングとなるため注意しましょう。

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編集部までご連絡いただけますと幸いです。

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監修医 鳴海 治 (なるみ・おさむ)
元メディカルチェックスタジオ医師・医学博士

28年間の脳神経外科の手術と救急の経験から、再生しない脳という臓器の特性、知らないうちに進行し突然発症して障害を残す脳卒中疾患の特性に対しては「発症させない」ことが最も有効な対策だと考えています。 なるべく多くの方が健康なうちに脳ドックを受診し、問題解決できる環境を提供してゆきたいと思います。

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