知っておきたい脳ドックの補助金・助成金制度 思っていたよりずっと安く受診できるってほんと?
2022/06/17 ( 公開日 : 2021/08/23 )
日中の眠気がつらい! 自分では気づかない睡眠中のいびきが原因かも? 睡眠時無呼吸症候群について解説!

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、眠っているときに呼吸が一時的に止まる病気です。
これは「いびき」として日常的によくみられるものですが、1時間に10秒以上呼吸が止まる回数が5回を超えた場合、この症候群である可能性があります。
睡眠中に呼吸が停止すると、臓器や血管には大きな負担がかかります。しかしながら、睡眠中に自分の呼吸が止まっていることに気づくのは難しく、多くの方が無自覚なままです。
家族やパートナーが指摘してくれればいいですが、一人暮らしをしている方は中々気づきにくいため、症状を見過ごす一因となっているようです。
兆候としては、以下のようなものが挙げられます。
- 日中の眠気が強い
- 車の運転中でも眠りそうになる
- いつも頭が重い。体が疲れやすい
- 夜間に何度もトイレに起きる
- 寝ているときに足がつる など
原因は? いびきが無呼吸の前兆?
いびきをかいているとき、舌の根に当たる部分が空気の通り道を狭くしているために、音が発生します。これが何度も続いたのちに、音が止まる瞬間があると思いますが、このとき完全に空気の流れが閉ざされており、無呼吸の状態になっています。
無呼吸の状態は危険なので、体は無意識に眠りを浅くして、舌の根を持ち上げることで、呼吸を再開させます。
そしてまた「いびき」→「無呼吸」という順番で、夜眠っているときにこのサイクルを何回も何回もくり返します。

このサイクルを続けていると、睡眠中は体に酸素が足りない状態になるため、血中の酸素濃度が低くなってしまいます。それはつまり、臓器や血管にダメージが溜まっていることを意味するのです。
睡眠は1日に6、7時間以上行われますが、毎日の睡眠中にほんの少しずつダメージが溜まっていくと、いずれは大きな疾患となって目に見えるかたちで異常が現れます。
生活に起きる障害
具体的な生活上の障害としては、以下のことが挙げられます。
眠気による集中力低下
睡眠をしっかり取ったつもりでも、実際は眠りが浅いため、日中に強烈な眠気に襲われます。
車の運転などをする際は特に危険が伴いますし、大切な会議中などでも眠気を抑えられないことがあるため、仕事に支障が出る方も多いです。
合併症
睡眠時無呼吸症候群では、以下のような合併症が見られます。
◇健常者と比較したときの合併症比率

睡眠時無呼吸によって、血中の酸素濃度が突然低下すると、血圧を上昇させて血管に大きな負担になります。
高血圧、心臓の問題、肝臓の問題、糖尿病など、体にはさまざまなかたちで問題が現れることは、ぜひ知っておきましょう。
睡眠時無呼吸症候群の検査
睡眠時無呼吸症候群が疑われるときには、以下のような検査の流れで診断・治療が行われます。

※1時間当たりの無呼吸および低呼吸の回数を AHI(Apnea Hypopnea Index)といいます。
睡眠時無呼吸症候群の治療法
睡眠時無呼吸症候群へのアプローチには「すぐに効果が出る治療」と「生活習慣改善」があります。
①すぐ効果が出る治療
症状の重さに応じて有効な治療は変わってきます。
◇睡眠時無呼吸症候群の重症度と治療方法
症状 | AHIの値 | 治療法 |
---|---|---|
軽症 | 5 ≦ AHI < 15 | 減量、節酒、うつ伏せ寝 |
中等症 | 15 ≦ AHI < 30 | マウスピースなど |
重症 | 30 ≦ AHI | CPAP治療 |
AHI(Apnea Hypopnea Index)=無呼吸低呼吸指数
CPAP(シーパップ)
睡眠時に鼻マスクを装着して、呼吸に合わせて空気圧を与える装置を使います。
気道を開くように作用するため、いびきや無呼吸をほぼ完全に解消。
治療を始めるとすぐに効果がでますが、病状によって1~3回/月の受診が必要となります。
マウスピース
就寝中にマウスピースを装着して、気道を広く保ち、いびきや無呼吸の発生を防ぐ治療方法。マウスピースを作り慣れている、専門の歯科医院で作成することをおすすめいたします。
②生活習慣改善
ダイエット
減量を行うことが、睡眠時無呼吸症候群の根本的な解決につながります。糖質の多い食事を減らして、運動量を増やすことがとても重要です。
無理に急激な運動をする必要はなく、1日の中で歩く機会(例えばエスカレーターになるべく乗らないなど)を心がけるのがおすすめ。
横向きに眠る
仰向けで眠ると舌根や軟口蓋の落ち込みで喉がつぶされてしまいます。横向きに眠るように心がけましょう。
寝酒をやめる
眠る前にお酒を飲むと、いびきや無呼吸がひどくなることが多いです。
飲酒は就寝の4時間前までにしましょう。
まとめ|リスクを減らす行動が必要

いびきはあまりに身近な現象のため、多くの人がこの将来大きな疾患につながるかもしれないリスクを見落としてしまいがち。
もし生活の中でやけに眠気がひどいと感じたり、誰かにいびきのことを指摘されたりしたときには、一度検査を受けてみるといいかもしれません。
編集部までご連絡いただけますと幸いです。
ご意見はこちら
気になる方は、即日予約・受診可能です。
30分での脳ドック検査「スマート脳ドック」

病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。
こちらの記事もおすすめ


脳ドック受けてみた! 各種メディアさま スマート脳ドック | 体験レポート

20年ぶりに見直された脳・心疾患の労災認定基準は? 新しい基準を確認しましょう!

こわい/こわくない頭痛とは? 脳梗塞は頭痛を感じないってほんと? 知っておきたい頭痛の分類

緊張型頭痛ってどんな病気? 頭痛が辛いときのセルフケアも収録

悪化すると脳ヘルニアに? 急性硬膜下血腫について

話題のオートミールは健康にいいの? 栄養素や種類についても解説!

カフェイン中毒の症状とは?致死量はどのくらい?錠剤の過剰摂取にも注意!

脳の活性化に役立つ食べ物は? 食事に組み込みたい11のブレインフード

健康面でのリスク管理はできていますか? 知久先生にインタビュー

脳ドックを受けにくるのはどんな人? 放射線技師大畑さんにインタビュー

高齢ドライバーによる事故が増加傾向! 脳卒中の予防には脳ドックがおすすめ