2023/11/20 ( 公開日 : 2022/01/31 )

生活習慣病の原因は? すぐに実践できる5つの改善方法を紹介いたします!

生活習慣
生活習慣病 肥満 血圧
この記事は約6分で読めます
日本人の三大死因であるがんや心血管疾患、脳血管疾患の発症には生活習慣病が関係していることが分かっています。生活習慣病対策としては、自分の生活を見直すことが大切。この記事の中では、生活習慣によって引き起こされる病がどんな病気なのか、また予防や改善方法などについて解説します。
目次

生活習慣病とは?

生活習慣病は、バランスの悪い食事や過食・運動不足・睡眠不足・嗜好品(喫煙や飲酒)などの生活習慣の乱れによって発症、進行するさまざまな病気の総称です。

以前は成人病と呼ばれ、加齢が原因であると考えられていましたが、若年層でも不健康な生活習慣によって同じ病気を発症することが分かってからは生活習慣病に改められました。

それでは、生活習慣病にはどのようなものがあるのでしょうか。

高血圧症

安静な状態で血圧を測定したときに、心臓が収縮して血液を送り出すときの最高血圧が140mmHg以上、心臓が血液を取り込んだ拡張したときの最低血圧が90mmHg以上が続く症状です。

遺伝的な異常や食事などの生活習慣、ストレスの多い環境などさまざまな要因が引き金となります。

脂質異常症(高脂血症)

LDL-コレステロール(140mg/dL未満)、HDL-コレステロール(40mg/dL以上)、トリグリセライド(150mg/dL未満)がそれぞれ基準値から外れると脂質異常症です。

LDL-コレステロールが120~139mg/dLでも、高血圧や糖尿病などがあると動脈硬化のリスクが高くなるため治療が必要になります。

糖尿病

糖尿病は血糖値を下げるインスリンの量が不足、もしくは働きが弱くなって高血糖状態が続いてしまう病気です。

健康な人の血糖値は空腹時で70~110mg/dL程度で、ブドウ糖負荷検査2時間後の値も140mg/dLほどしか上がりません。しかし、糖尿病になると空腹時でも血糖値が126㎎/dL以上になります。

肥満/メタボリックシンドローム

カロリーや脂質の多い食事、運動不足によって体に過剰な脂肪が蓄積された状態を指します。

肥満の指標にはBMIが用いられ、目安は25以上です。
メタボリックシンドロームは、腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上の内臓脂肪型肥満に加え、「高血糖」「脂質異常」「高血圧」のうち2つが当てはまった状態です。

高尿酸血症/痛風

新陳代謝によって生まれた尿酸が血液中で増え過ぎている状態で、尿酸値が7mg/dl以上で高尿酸血症と診断されます。8mg/dl以上だと合併症(腎障害・高血圧・糖尿病・肥満など)が起きやすくなります。

尿酸は結晶化して関節や腎臓などに溜まり、痛風の原因になることも。
尿酸値が改善されなければ痛風の再発や腎臓病が進行する可能性があります。

アルコール性肝疾患

アルコールは肝臓で分解・処理されますが、大量なアルコール摂取は肝臓に大きな負担となり機能低下が起こってしまいます。

「アルコール性脂肪肝」になってもアルコールを摂取し続けると「アルコール性肝炎」へと進行して肝臓の細胞が破壊されて元に戻ることはありません。

生活習慣病が引き起こす病気

それぞれの生活習慣病によって引き起こされる合併症を紹介します。

表1 生活習慣病と合併症
生活習慣病 合併症
糖尿病 三大合併症(網膜症、腎症、神経障害)のほか、脳卒中や心臓病のリスクも高い
肥満/メタボリックシンドローム 糖尿病や脂質異常症、高血圧などほかの生活習慣病や心疾患のリスクも伴う
高血圧症 脳卒中や腎障害、眼底出血、心不全などさまざまな臓器にあらわれる
高尿酸血症 痛風を発症しやすく、尿酸の治療をしないと腎臓病へ進行する可能性もある
アルコール性肝疾患 肝炎のダメージを放置していると、肝硬変になる可能性もある

生活習慣病の原因

生活習慣病の原因は、不適切な食習慣、運動不足、喫煙、過度な飲酒、疲労やストレスなどが上げられます。

特に基礎代謝が落ち始める40歳以上は肥満になりやすく、メタボリックシンドロームを始めさまざまな生活習慣病を引き起こしやすいため注意が必要です。

生活面

20代の頃と比べて体重が10kg以上増えた人は肥満傾向です。とくに毎日飲酒する人や喫煙する習慣のある人は要注意。
さらに、睡眠不足であったりストレスが溜まっていたりすると自律神経が乱れて健康状態を維持しにくくなります。

食事面

パンやご飯など炭水化物や脂っこい食べ物をよく食べる人は太りやすく、濃い味付けのものを好んで食べていると血圧の上昇につながります。
甘いジュースや間食、深夜の食事は血糖値を上げてしまいます。
野菜をあまり食べない人も栄養バランスや腸内環境が悪化するため病気になりやすいでしょう。

運動面

運動不足は筋肉が減って代謝が落ちることで肥満になりやすくなります。
車による移動や在宅ワークだと1日ほとんど歩かないこともあり、運動をする習慣がないと生活習慣病になりやすいです。

生活習慣病の予防・改善方法

生活習慣病を予防・改善するには、生活習慣病を引き起こす「運動不足」や「バランスの悪い食事」などの原因に対してひとつひとつ予防策をとっていきましょう。

①運動をする

定期的な運動習慣は生活習慣病の予防だけでなく、心肺機能や脳の機能も高めてくれ長生きできるようになります。

有酸素運動は1回30分程度で脈拍が100~120程度の強度を、週2~3日程度でも効果があります。

②食事の内容を意識する

炭水化物、脂質を摂りすぎないようにして、1日20〜30品目を目安に多くの食品からビタミン、ミネラルなどの栄養素を摂るようにします。

標準体重はBMIが22〜24になる体重で、病気になりにくいとされています。
標準体重になるために1日に摂取できるエネルギー量の目安を計算で求めることが可能です。

まずは自分の身長から標準体重を計算します。
『標準体重=身長(m)×身長(m)×22』
(※単位は㎝ではなくmです。)

『1日に必要なエネルギー量(kcal)=標準体重(kg)×活動レベル別エネルギー消費量(kcal)』

※活動レベルごとの体重1㎏あたりのエネルギー消費量

レベル1は30~35kcal:ほぼ座って過ごす
レベル2は35~40kcal:職場内での作業や通勤、買い物、軽いスポーツのいずれかを行う
レベル3は40~47kcal:移動が多く、立ち仕事。または、よく運動する習慣がある

③禁煙する

「タバコは百害あって一利なし」という言葉があるように、喫煙習慣にはメリットがありません。禁煙は難しいことですが、禁煙外来に通ったり禁煙補助薬などを活用する方法もあります。
できるだけ早めに禁煙するように心がけましょう。

④過度な飲酒は控える

1日の適度なアルコール量の上限は20gとされています。

◇20g相当のアルコール飲料の量

・ビール中瓶1本(500ml)
・日本酒1合(180ml)
・ウイスキーダブル1杯

女性や高齢者は1/2~2/3の量が適当で、350mlの缶ビールを1本を1日の目安にしましょう。
また、週に2日は休肝日を設けることも大切です。

⑤十分な睡眠をとる

理想的な睡眠時間は8時間ですが、しっかりと熟睡できれば短くてもかまいません。

睡眠の質を上げるためには毎日同じ時間に起きて朝日を浴びることです。体内時計がリセットされて眠りやすくなります。

また、就寝3時間前くらいに入浴やストレッチなどをすると、血流が良くなって身体が適度に温まってリラックスできます。ほかにも1日3食バランス良く食べることや、就寝前にはスマートフォンの使用を控えるようにしましょう。

健康的な生活と定期検査で重大な病気を予防しよう

生活習慣病は心血管疾患や脳血管疾患など重大な病気を発症するリスクを高めます。日ごろから適度な運動やバランスのいい食事などの生活習慣に気を配って予防に努めることが大切です。

生活習慣病のチェックは会社などで行われる健康診断でもできるため、1年に1回は受診するようにしておくと安心できます。

すでに生活習慣病を発症している人は医師の指導を受けながら生活習慣の改善を行い、合併症の早期発見のために、人間ドックや脳ドックの定期受診をしましょう。

記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。

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監修医 知久 正明 (ちく・まさあき)
メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士

病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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