2021/12/03 ( 更新日 : 2021/12/17 )

ビタミンB群ってどんな栄養素? 取りすぎは体に悪いってほんと? 摂取目安についても解説

生活習慣
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ビタミンは体にとって欠かせない必要な栄養素ですが「たくさん摂りすぎると体に悪い」という話を聞いたことはありませんか?実は、ビタミンは種類によって摂りすぎると健康を害するものと、それほど問題ないものがあります。この記事ではビタミンB群の働きについて解説していきます。摂取目安より摂り過ぎた場合のリスクなどを知り、栄養バランスについて考えてみましょう。
目次

ビタミンB群は水溶性ビタミンの複合体

ビタミンBはひとつの物質ではなく、多くの物質から成る化合物です。水溶性ビタミン(8種類)の総称で「ビタミン複合体」とも呼ばれているため“群”がついています。名前に“ビタミンB”がついていない成分もありますが、実際の呼び名ではない別名です。

◇8種類の水溶性ビタミンの種類◇

ビタミンB1
ビタミンB2
ビタミンB6
ビタミンB12
ナイアシン(ビタミンB3)
パントテン酸(ビタミンB5)
ビオチン(ビタミンB7)
葉酸(ビタミンB9)

これらのビタミンは、単体よりも複合体としてまとめて摂ることで体の機能をサポートできる栄養素です。
つまり、それぞれの成分がお互いに関わり合いながら体に働きかける性質を持っています。

どれも体にとって重要な役割を持っていて、それぞれに作用し合う栄養素なのでバランスよく摂取するのが理想的です。
しかし、ビタミンB群は体内での消費が早く、毎日補わなければ不足してしまいます。

代謝に関する働き

ビタミンB群は、体がエネルギーをつくりだすために欠かせない栄養素です。

3大栄養素である糖質・たんぱく質・脂質は、それだけでは十分なエネルギーを生み出すことができません。ビタミンB群の分解や代謝のサポートを受けることで、体の機能を維持するために必要なエネルギーがつくりだされているのです。

ビタミンB1 … ごはん、パン、麺などの糖質の分解を助ける
ビタミンB2 … 油脂や食用油などの脂質の代謝を促す
ビタミン B6 … 肉、魚、卵、大豆製品などのたんぱく質(アミノ酸)の代謝を促す
ナイアシン … 脂質、たんぱく質(アミノ酸)の代謝を促す
パントテン酸 … 脂質、糖質、たんぱく質の代謝を助ける など

物質を合成する働き

ビタミンB群はコラーゲンの生成やDNAの合成を助けるだけでなく、脳の神経伝達物質をつくりだす過程にも関わっています。
脳の伝達物質はストレスなどでたくさん消費されてしまうので、心身の健康のためには不足しないようにビタミンB群を摂取していくことが大切です。

脳の神経伝達物質とその役割

ノルアドレナリン:やる気や判断能力をコントロールしているホルモンで、作用を促したり、阻害することで精神疾患の治療が行えます。体内でバランスをくずすとパニック症やうつ病などを引き起こす可能性があります。

セロトニン:幸せホルモンと呼ばれ、ドーパミンやノルアドレナリンを抑えて精神を安定させる働きを持っています。

メラトニン:体内時計や季節の周期など生体リズムを調整する働きがあり、睡眠や覚醒の調節もしています。

ドーパミン:快楽を感じるための中心的な役割をしており、アルコール摂取や麻薬などはドーパミンを活発に出す作用があるものです。

その他の働き

ビタミンB群は脳の機能をサポートして体の組織や血液などもつくるなど、人が生きるために大きな役割を担っています。さらに、血管が狭く硬くなる(脳梗塞や心筋梗塞のリスク)のを防いで、骨の質をよくすることも分かっています。

ビタミンB群が不足するとどうなる?

ビタミンB群は甘いものやアルコールの摂り過ぎ、妊娠や授乳、ストレスなどによって体内で消費される量が増えます。
もしビタミンB群が足りなくなると、食べたはずの栄養素をエネルギーに変えることができず、体の機能を維持できなくなってしまいます。
すると、疲弊しやすくなって精神的な症状から身体的な症状まで、さまざまな異変が現れるように……。

やる気や集中力の低下
日中の眠気
イライラしやすい
口内炎・口角炎
慢性的な疲れやすさ、肩こり など

ビタミンB群の摂取目安量

ビタミンB群のそれぞれの成分には摂取推奨量が提示されています。これを目安にして毎日摂取するようにしましょう。

表1 ビタミンB群(各成分)の1日当たりの摂取推奨量
摂取推奨量 成人男性
(18歳以上)
成人女性
ビタミンB1 1.2~1.4㎎ 0.9~1.1㎎
※妊婦・授乳婦は1.1~1.3㎎
ビタミンB2 1.3~1.6㎎ 1.0~1.3㎎
※妊婦は1.3~1.6㎎、授乳婦は1.6~1.9㎎
ビタミンB6 1.4㎎ 1.1㎎
※妊婦は1.3㎎、授乳婦は1.4㎎
ビタミンB12 2.4㎎ 2.4㎎
※妊婦は2.8㎎、授乳婦は3.2㎎
パントテン酸 5~6㎎ 5㎎
※妊婦は5㎎、授乳婦は6㎎
ナイアシン 13~15㎎NE 10~12㎎NE
※授乳婦は13~15㎎NE(*1)
ビオチン 50㎍ 50㎍
葉酸 240㎍ 240㎍
※妊婦(中~後期)は480㎍、授乳婦は340㎍

(*1)ナイアシン等量(mgNE) = ナイアシン(mg)+ 1/60 トリプトファン(mg)

ビタミンB群の摂取方法

一般的には普段の食事から摂取すると思いますが、ビタミンB群は水に成分が溶けだしやすく、熱で栄養素が壊れてしまいます。そのため、調理法や食べ方に工夫が必要です。食事で摂取できないようなら、サプリメントなどの栄養補助食品で摂取するといいでしょう。

食べ物から摂取する

ビタミンB群を多く含んでいるのは、豚肉やレバーなどの肉類、ウナギやマグロ、サバなどの魚類、ほかにも卵や乳製品などの動物性食品です。しかし、煮込み料理など水につけて加熱すると成分の多くが失われてしまうため、生のまま食べたり汁ごと食べたりするのが理想的です。

サプリメントから摂取する

ビタミンB1、葉酸、パントテン酸は特に調理の影響を受けやすい栄養素です。ビタミンB群を効率よく摂取できるサプリメントはとても重宝します。ただし、ビタミンB6やナイアシン、葉酸はサプリメントによる過剰摂取のリスクもあり、摂り方には十分に注意することが必要です。

ビタミンB群の過剰摂取にリスクはある?

体によって必要な栄養素でも、過剰に摂取すると体に良くない作用を引き起こすことがあります。

ビタミンB群の過剰摂取による代表的な副作用

ビタミンB6 … 手足のしびれ・痛み、神経障害、感覚障害、腎臓結石
ナイアシン … 全身の痒み、皮膚の炎症、嘔気、嘔吐、便秘、下痢、肝機能障害、劇症肝炎
葉酸 … 発熱、じんましん、神経障害、味覚障害

ビタミンB群だけでなく、栄養素にはそれぞれ体に必要な量があります。バランスをみながら効率よく摂取することで健康的な体づくりをしていきましょう。

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監修医 知久 正明 (ちく・まさあき)

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士
病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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