変形性膝関節症の進行を防ぐ「自宅リハビリ」と「セルフケア」

2026/01/29
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変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減ることで痛みや腫れ、動かしにくさが生じる病気です。
加齢や筋力低下、体重増加などが主な原因ですが、適切なセルフケアとリハビリを毎日続けることで進行を遅らせたり、痛みを和らげたりすることが期待できます。
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目次

変形性膝関節症とは


変形性膝関節症は膝の痛みや炎症、そして関節の変形が生じる疾患で、主に60~70代以上の中高年に多く見られ、女性は男性に比べて罹患率が高いとされています。進行すると、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。

症状

変形性膝関節症の主な症状は、関節軟骨の摩耗によって生じる膝の痛みと曲げ伸ばしの制限です。
初期には立ち上がりや階段昇降などの動作開始時に痛みを感じますが、進行すると膝の腫れやO脚などの変形を伴います。
最終的には、安静時や夜間にも痛みがとれなくなり、歩行や日常生活に大きな支障をきたすようになります。

原因

変形性膝関節症の主な原因は、加齢による関節軟骨の摩耗と弾力の低下です。
これに肥満や筋力の低下(特に太もも)、O脚などの下肢の歪みといった機械的な負荷、女性ホルモンの影響、過去の膝の損傷などが複合的に関与し、関節の変形を招きます。

変形性膝関節症の症状チェックと痛みの悪循環


変形性膝関節症が発症した場合、初期のサインを見逃さず、悪循環に陥らないための対策を取ることが重要です。
まずは、現在の症状をチェックしましょう。

症状の自己チェックリスト

あなたの膝の痛みはどの段階ですか? 以下の表で現在の状態を把握しましょう。


段階 症状の目安
初期 動作の開始時や、階段昇降、正座の際に痛みがある
中期 長時間の歩行後、関節内に水がたまる
末期 安静時や夜間にも痛みがとれない

痛みの「悪循環」を断つ重要性

膝に痛みが出た時にかばって動かさなくなると、膝を支える太もも(大腿四頭筋)の筋力が低下していまいします。
筋力が落ちると膝が不安定になるので軟骨の摩耗がさらに進み、痛みが悪化するという「悪循環」が生じます。
この悪循環を解消するためにも、適切な運動療法は効果的です。

変形性膝関節症の進行を防ぐリハビリ体操実践法


膝を安定させるための筋力トレーニングは、「痛くない方法で行える」ことが大切です。
毎日少しずつ取り組みましょう。

また、病院やクリニックでは、パンフレットの配布やスタッフの指導が実施されているケースが多くあるため、治療が必要か否かを自己判断せず、病院に相談してみましょう。


運動名と目的 実践方法(各10回目安)
脚上げ体操 (大腿四頭筋強化) 仰向けで寝て膝下にタオルを敷き、足全体をまっすぐにしたまま10cm程度上げ、5〜10秒キープする。
横上げ体操 (股関節周辺筋強化) 横向きに寝て、足をまっすぐ真横にゆっくり上げる。

【実践のポイント】

運動中は痛みを感じない範囲で行いましょう。
継続することで、一般的な痛み止め以上の効果が期待できることが実証されています。

変形性膝関節症の推奨される日常生活での動作


日常生活に潜む膝への負担をチェックし、動作を工夫することで軟骨の摩耗を防ぎましょう。

膝の負担を減らす「生活動作の工夫」

焦点 推奨される動作・対策
座り方・NG動作 洋式トイレや椅子を利用する(正座、あぐらは避ける)。
階段・移動 痛くない方の足から昇る。
杖や手すりを活用し、体重を分散させる。
痛み対策 慢性的なこわばりがあるときは温める。
炎症が強い急性期は冷やす。
体重・姿勢 膝への負荷を軽減するため、適正体重を維持する。

変形性膝関節症の薬物療法と補助具の知識


補助具や薬は運動療法を補助し、日常生活を送りやすくするために効果的です。

薬の目的は「リハビリを継続するため」

消炎鎮痛剤(痛み止め)やヒアルロン酸の関節内注射の目的は、関節そのものを再生するものではありませんが、「痛みを和らげることで、運動療法やリハビリテーションを無理なく継続しやすくする」ということにあります。

あくまでも、薬に頼るのではなく、適切なリハビリを継続させることを心がけましょう。

装具やサポーターの役割

膝サポーターや足底板(靴の中敷き)は膝関節を安定させ、特定の部位への偏った荷重を減らす効果があります。
特に、O脚の進行を防ぐ効果がみられるケースがあるため、専門医や理学療法士に相談し、ご自身の状態に合ったものを選んで使用しましょう。

変形性膝関節症が進行した場合


運動や薬による保存療法を継続しても十分な効果が得られず、痛みのために歩行障害が生じて日常生活に大きな支障をきたすようになった場合は手術をしなければならない可能性があります。


手術方法 主な目的と効果
関節温存手術 足の骨を切り、骨軸を矯正して膝への負担を分散させる手術です。
人工膝関節置換術 傷んだ関節を人工関節に置き換える手術です。

痛みなく、健康的な生活を取り戻すため、ご自身の状態に合った治療法を医師と十分に相談しましょう。

参考:順天堂大学医学部付属順天堂医院 整形外科・スポーツ診療科「変形性膝関節症」(https://hosp.juntendo.ac.jp/clinic/department/seikei/disease/disease01.html

【参考文献】
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/knee_osteoarthritis.html
https://hosp.juntendo.ac.jp/clinic/department/seikei/disease/disease01.html
https://www.kitasato-u.ac.jp/hokken-hp/visitor/office_visit/deformation.html
https://hp.kmu.ac.jp/hirakata/visit/search/sikkansyousai/d16-010.html

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監修医 澤田 樹佳 (さわだ・きよし)
さわだクリニック院長
医学博士
金沢大学大学院卒業

自分が患者様ならどうして欲しいか、を考え日々の診療を行っています。
医療的な問題ならどんなことでもサポートしてまいります。

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