2022/04/20 ( 公開日 : 2022/01/06 )

群発頭痛ってどんな病気? 市販薬を使って耐えるよりも、一度病院を受診しましょう

症状
頭痛
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群発頭痛は、目をえぐられるような鋭い痛みを伴うことから、最も痛い頭痛だと言われています。20~40代の働き盛りの男性でよく見られます。珍しい頭痛であるため、群発頭痛について知らない方も多いでしょう。そこで今回は群発頭痛の症状、原因、治療、予防方法などを詳しく紹介します。
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目次

群発頭痛ってどんな病気?

群発頭痛は慢性頭痛のうちのひとつです。慢性頭痛としては片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛の3つが有名です。片頭痛や緊張型頭痛はそれほど珍しくありませんが、群発頭痛は3つの中でも発症率がとくに低い頭痛です。20~40代の男性で多く見られます。

群発頭痛は非常に強い痛みを伴う疾患ですので、連日仕事を休まないといけないことが多々あり、日常生活にも大きく支障をきたすため、周囲の理解がとても大切です。

群発頭痛の症状

群発頭痛では、どちらか片方の目の奥をえぐられるような痛みが生じます。「鋭く尖っているもので突き刺されたような痛み」と表現することもあり、とにかく強い痛みがあることが特徴です。

群発期と呼ばれる時期のみに発作が出ます。1回15分~3時間の痛みが1日に数回起こり、これが数日から数か月続くのです。
群発期が終わると数か月から数年、痛みがない時期が続きます。

痛みは夜中から明け方ごろの決まった時間に出ることが多く、発作時には目が充血して涙や鼻水が出ることが、ほかの頭痛との違いです。あまりの痛さに、頭を壁にぶつけて気を紛らわそうとする方もいるほどです。

群発頭痛の原因

群発頭痛が起こる原因について、実ははっきりとした理由がまだわかっていません。今のところ、脳にある視床下部に関係しているのでは、といわれています。
視床下部が刺激されることで、目の奥あたりにある三叉神経の周りにある血管が拡張され、痛みを感じるのではないかと推測されているのです。

血管が拡張する原因として、過剰なアルコール摂取や喫煙、気圧の変化などが挙げられます。このほかホルモンの影響、体内時計のずれ、遺伝なども群発頭痛を起こす原因といわれています。

群発頭痛の診断

診断は、国際頭痛分類の診断基準に則って行われます。
次の項目に当てはまる発作が5回以上あると、群発頭痛の可能性が高いでしょう。

・片側に起こる重度の痛みが15分~3時間ほど続く
・頭痛と同時に、目の充血、涙、鼻水、鼻づまり、発汗、まぶたが下がる、落ち着きがなく興奮する、などの症状がひとつ以上ある
・2日に1回~1日に8回程度の頻度で頭痛が起こる

三叉神経痛と呼ばれるものでも、群発頭痛と同じように強い痛みを伴います。しかし三叉神経痛の場合は、痛みの持続時間が数秒から数十秒程度です。
群発頭痛では短くても15分ほどは発作が続くため、痛みが起こる時間の長さは三叉神経痛と群発頭痛を見分ける大切なポイントです。

群発頭痛と思われるこれらの症状が出たら、脳神経外科、脳神経内科、内科、ペインクリニック内科を受診しましょう。
頭痛外来でも問題ありません。
症状の出方を見るだけでなく、脳MRI、CTスキャン、血液検査、心電図、脳波検査などを行う場合もあります。

群発頭痛の治療方法

群発頭痛の治療には主に2種類あります。ひとつは痛みが出てから症状を抑えるもの、もうひとつは痛みが強くなるのを予防する方法です。

痛みが出たときの対応としては、次のものが行われます。

・高濃度の酸素吸入
・トリプタン系の内服薬

酸素の吸入は、発作時によく行われている治療です。酸素を吸入することで80%の方で改善が見られたというデータがあります(*1)。
一般に片頭痛の治療で使われているトリプタン系の内服薬も有効です。ただし即効性はあまりなく、高い鎮痛効果があるわけではありません。頭痛の発作が起きて時間が経ってから服用すると効きづらくなるため、できるだけ早い段階で服用することが大切です。

予防にはカルシウム拮抗薬やステロイド剤などが使われます。

頭痛の発作が起きたときの治療はいくつかあるものの、残念ながら将来にわたり群発頭痛が起こらないようにする治療はありません。市販にはこういった治療薬の扱いがないため、頭痛薬を自己判断で使わずに専門医の治療を受けるようにしましょう。

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メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士

病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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