2022/12/07 ( 公開日 : 2021/06/11 )

大脳白質病変ってなに? 病変の仕組みや、種類・グレードについて解説

症状
用語説明 認知症
この記事は約3分で読めます
大脳白質病変は、グレードが進行すると、重大な脳疾患につながると言われています。しかし加齢によっても起こる変化なので、症状が出ているからといって、必ずしも怯える必要はありません。この記事を読んでいただくと、大脳白質病変の仕組みや、健康にどんなリスクがあるか、またグレード(症状の進行度)についても理解することができます。
目次

白質と灰白質について

灰白質:神経細胞(ニューロン)の細胞体が存在している部位。
白質:神経細胞がなく、有髄神経線維ばかりの部位。(神経繊維とは、情報を伝えるための突起のことです)

大脳白質病変とは?

大脳白質病変とは、脳深部の大脳白質に起こった虚血(血のめぐりが悪くなって、器官が酸素不足になっている)状態のことです。
脳をMRI画像で描出したときに、みつけることができます。加齢によっても起こる病変ですが、変化の程度が年齢平均よりも進行しているときには、注意が必要となります。

本人にとっては無症状であることが多いですが、白質病変が増加する(グレードが高くなる)と、認知機能が低下するリスクが高くなることが知られています。
また、脳血管疾患の発症も、合わせてリスクが高まることも知っておきましょう。

病変の仕組み

虚血には高血圧が関連しています。高血圧の状態が長いあいだ続いていると、白質に張りめぐらされている脳の細い動脈が硬化するからです。
細い動脈が伸びたり縮んだりすることをやめると、その周囲の細胞は酸素が足りない状態になり、次第に弱っていきます。
その結果として、血管から水分が漏れ出て、MRIで検査した画像を見たときに白いまだら状の模様が映し出されます。

大脳白質病変の種類とグレードについて

大脳白質病変は大きく2種類。

・脳室周囲白質病変(PVH)
・深部皮質下白質病変(DSWMH)

どちらも、グレード0(病変なし)からグレードⅣ(重度)までで評価されます。
グレードⅠからグレードⅢにかけては、「未病」と呼ばれる、病気に向かっている状態です。
この期間に高血圧管理及び生活習慣管理を行うことが、症状をグレードⅣへ進行させないために重要です。

脳室周囲白質病変(PVH)

脳室周囲白質病変(PVH)は、遂行機能の低下が関連していると言われています。
(※遂行機能・・・目標を決め、計画を作り、効果的に行動をするときに使う機能)

PVH:Periventricular(脳室周囲の) Hyperintensity(高信号)

深部皮質下白質病変(DSWMH)

深部皮質下白質病変(DSWMH)は、認知機能の低下が関連していると言われています。
(※認知機能・・・理解、判断、論理などの知的な機能)

DSWMH:Deep Subcortical (深皮質下)White Matter(白質) Hyperintensity(高信号)

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監修医 知久 正明 (ちく・まさあき)
メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士

病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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